環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年12月27日)

1.発言要旨
  おはようございます。
  今日が今年最後の閣議でした。一般案件が3件、政令が2件、配布が4件、環境、沖縄・北方関連はございませんでした。
  閣議で失業率などの報告がありました。11月の完全失業率は、全国が4.6、そして沖縄は7.9%、前月比で0.9ポイントの低下。有効求人倍率については、全国が0.99倍、沖縄は11月が0.41倍、前月よりも0.02ポイントの低下となっております。
  最後、総理から、1年御苦労さんということと、ちょうど去年の今頃は、スマトラ沖津波で大きな問題が生じたことなども考えれば、骨休みをすると同時に、いつ何があるかわからないから、ということでした。
  私からは、御報告がございます。
まず沖縄関係ですが、昨日、一昨日と美ら島ブランドシンポジウムの出席のために出張してまいりました。このシンポジウムですが、美ら島の活性化を担う地元の方々と、これまでブランド委員会の方でまとめていただいた提言内容や、その意義について説明をしながら直接意見交換をするために行ってきました。1回目を那覇で行わずに、小浜島という「ちゅらさん」で有名なところで、日本のリゾートの先駆けではないでしょうか、ヤマハの「はいむるぶし」というところで行いました。ブランド化を進めることによって自立型経済の構築・美ら島版ということを進めていきたいと思っております。
  その前に黒島という、今、農業で生きている島ですが、実際に見てまいりました。そこで、1世帯ですけれども、年間4,000万円の所得を上げていると。1,000万円以上の所得を上げているのも四、五件あるそうです。実は、総理官邸に、沖縄が今どうなっているのか話を聞かせてくれということで、先ほどまで行っておりましたけれども、この牛でもって、そういう農家もあるんですよとお知らせしたら、大変興味を持たれて、それで話が結構盛り上がっていたということも、あわせて報告しておきます。
  それから、離島に参りまして診療所などを見てまいりました。医療の課題を今回の予算にも盛り込んではおりますが、現場を見てきたということです。それから「ちゅらさん」のおばぁ役だった平良とみさんとカチャーシーを一緒に踊ってまいりました。おじいさん、おばあさんもみんなとても元気で、沖縄はやっぱり長寿で非常にうらやましいなと逆に思いました。今後、離島の活性化に生かしていきたいと思っております。
  今度は北方関係ですが、納沙布岬にライブカメラを前に設置したところですが、海上保安庁の納沙布岬のライブカメラ、それから独立行政法人北方領土問題対策協会で設置しているライブカメラで、新年の北方領土、それから初日の出、それぞれ見えるということで、皆様方のところに出させていただきました。ただ、私はてっきり日本一早いんだろうと思っていたのですが、どうやら冬場はちょっと違うみたいで、でも早目の初日の出が見られるので、ぜひご覧いただきたいと思っております。
  環境関連では、閣議後に、アスベスト問題に関する関係閣僚会合が開催されました。これは、さきに発表した大綱を踏まえて、給付の水準、財源などの制度の具体的な内容を救済制度の概要として取りまとめたものです。
  また、未然の防止が重要であり、工作物の解体作業時などにおけるアスベスト飛散防止対策を義務づける大気汚染防止法の一部改正を始め、廃棄物処理法、建築基準法、地方財政法の4本の法改正が検討されてきました。これらを一括法として処理することとなり、今日、関係閣僚会合において総合対策に盛り込ませることができました。以前から申し上げておりますように、すき間なくスピーディーに、この場合は省庁間のすき間なくですが、連携を密にしながら、今回、まとめて出すことができたと思います。次期通常国会の冒頭で法案提出した上で、できる限り早期での成立を期してまいりたいと考えています。
  私からは以上です。



2.質疑応答

(問)容器包装リサイクル制度ですが、今年最後に残った宿題ということで、まだ関係者の主張に大分隔たりがあると聞いていますが、大臣のお考えを教えてください。

(答)中環審と産構審で、なお審議中です。いろいろと議論がいまだ交わされているという状況かと思いますが、議論は随分進んできたものと聞いています。明日も会議があるわけですが、できるだけ詰めの議論を行っていただきたいと思います。ただ、審議を尽くしていくことが実効ある改正につながるのではないかと思っておりますので、状況によっては、取りまとめの内容の確認のために、再度、審議会を開催することもあり得るのかなと思っています。

 それから、来年の抱負にもなってしまいますが、前回大ぶろしきを広げて見せて、容リ法改正のシンボルのような形でふろしきのPRも行っていきたいと思っていますが、容リ法改正にしても、そもそもゴミを減らし、ゴミをなくす、ゼロエミッションということをこれまでも言ってきているわけで、これは発想を変えなくてはいけないなと思っています。

 役所の資料なども、できるだけ裏表を使って紙を減らしましょうということで、削減策をこれまで徹底し、その成果はかなり出ているものと思います。ただ、対外的に大量に刷るという必要があるときなどは、省内での努力を超えて周知徹底させるためのツールとしての紙の使用もどうしても出てくるので、その辺はなかなか頭が痛いところであります。

私は、先だって、環境、沖縄・北方、それぞれ、みんなが日々働いている現場を激励も兼ねて回りましたが、みんな書類の山に埋もれて仕事をしています。だから、これは発想を変えなくてはいけないと思います。かといって、ペーパーレスをすぐやれと言っても、なかなかできないかもしれません。極力ペーパーレス社会というものを実現できる下地を環境省内、内閣府の沖・北内で作っていきたいなと思って、そのために、何をどうするか考えていきたいと思っています。

(問)閣僚懇で、国勢調査の中間の数字が出て、早速見直しをすべきではないかという声も聞こえて、これは区割りを見直すというお話だったのでしょうか。それとも制度自体を見直すということでしょうか。

(答)制度自体の見直しではないと思います。5年ごとの簡易調査と10年ごとの本格調査と2種類あります。そこの確認をしておられるように受け取りました。いつのときに変えるんですかというような御質問だったように思います。

(問)来年はゴミがメインで、今のお話につながると思いますが、やはりゴミ問題に絡んでいるのでしょうか。

(答)廃棄物をどうやって減らしていくか、いわゆるリサイクルだけではなく、リデュースのところから見ていく必要があるのではないかと思っています。今年はクールビズ、ウォームビズ、これはファッションを切り口にして皆さんの関心も呼び、皆さんの共感とともに大々的に進む大きなきっかけになった年だと思います。来年は廃棄物関係を、クールビズと同じ手法というわけにはいきませんが、環境問題というのは、生活者、消費者に一番近いところからの協力が必要ですので、そのあたり、切り口を考えてみたいと思っています。

(問)アスベストですが、今日で一通りまとまったということだと思いますが、改めて御感想と、何か残っている課題と捉えているものがあればお願いいたします。

(答)アスベスト問題が、最初出てきた時に、これまで省庁のたらい回しというか、縦割りのすき間の中で出てきた問題でもあったかと思っています。そのすき間を排除して、できるだけスピードアップしてこの法案を取りまとめ、その先頭に立ってやってきたと思っています。

 環境問題も、小さな政府を標榜して、これからも進めていくわけです。小さくても機能する政府として、このアスベスト対策も今後ともわかりやすく、的確に進めていきたいと思っています。中皮腫の特徴でもある、発症が遅いけれど非常に進行が早く、非常に治癒がしにくいということを鑑みますと、できるだけ早く対応できるように法案の成立を期したいと思っています。

 それでは皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。

 

(以    上)