環境省大臣記者会見・談話等


小池大臣記者会見録(平成17年7月15日)


1.発言要旨
  おはようございます。
  今日の閣議ですが、一般案件が2件、国会提出案件が1件、政令が6件、配布が2件であり、環境、沖縄・北方、それぞれ主請議のものはございません。
  閣議では、中小企業庁の調達方法、経済財政白書、農林水産大臣の大連への出張報告などが行われました。
  閣僚懇では、親子タウンミーティングを開くことについて、官房長官から報告がありました。これは、夏休み期間を利用して4つの親子タウンミーティングを開催するもので、この中の一つとして、地球環境をテーマとしたタウンミーティングを、私が出席して、8月27日土曜日に、仙台を会場にして行うことになっておりますので、あわせて報告しておきます。資料は、追って事務方から配布いたします。
  それから、閣議の前の写真を撮影する時に、今日は総理から「知床、よかったね」という一声がかかりました。
  私から、アスベストに関しての取組について報告があります。アスベスト問題については、昨日、5回目になりますでしょうか、関係省庁会議が開催され、アスベスト被害の実態調査が今日にも経済産業省から公表されることになったと聞いております。これを踏まえて、環境省でも石綿関連事業所周辺での健康不安に対して、保健所などで対応することを念頭に、経済産業省の調査の結果と、石綿に関するQ&A集を作ったものを、今日、都道府県などに対して送付する予定としております。保健所にいろいろな問い合わせが来るので、それに対して、保健所から的確にお答えするためのQ&A集です。
  また、この経産省の調査なども含めて、アスベスト被害に関するデータが徐々に集まってきております。そこで、一般環境経由のアスベスト被害について、つまり工場の中などではない形のアスベスト被害について、専門家グループから科学的な助言などを伺っていきたいと考えております。メンバーとしては、アスベストの物性、使用状況、暴露状況に詳しい科学者、疫学者、臨床の医師などを予定いたしております。
  今後、潜伏期間を経て石綿に関する健康被害が増えてくるとすると、政府全体としても治療法の研究ということも考えなければなりません。これまで、潜伏期間が長く、発見されてからその後、生きられる時間が短いという話で終わっておりますが、そうではなくて、どうやって治療ができるのか、そしてまた、そのほかの方法があるのかということを、基本的には厚生労働省が主に所管する分野ではありますが、環境省としても連携・協力できることがあれば検討していきたいという考え方でございます。
  役所間の連絡会議ができたところですが、環境省内でも、管理局、保健部、廃棄物・リサイクル対策部が関係してまいりますので、ここも臨機応変に関係部局が協力して対応できるようにしていくため、課長、室長をメンバーとする「アスベスト問題に関する環境省内連絡会議」を設けることとしました。既にその体制はとっておりますけれども、改めてこの意識をしっかりと持って取り組んでいきたいということです。
  それから、環境省の人事では、地球環境審議官の交代を発令することといたしております。地球環境審議官には、松本省藏氏の勇退を認め、その後任に小島敏郎地球環境局長を充てることが内定いたしております。また、小島地球環境局長の後任には小林光環境管理局長、そして環境管理局長には竹本和彦大臣官房審議官を充ててまいります。さらに、昨日、知床の件で一緒に喜びましたけれども、小野寺浩自然環境局長が退職し、その後任として、南川秀樹廃棄物・リサイクル対策部長を充てることといたします。これらは、7月19日の閣議で承認を得まして、7月20日付で発令になります。
  局長級以外の指定職に関しましては、福井雅輝大臣官房審議官は経済産業省に出向、大臣官房審議官には笹谷秀光大臣官房政策評価広報課長及び黒田大三郎自然環境局自然環境計画課長―今まだ南アフリカにおりますが−これらの皆さんが、官房審議官ということになります。それから、南川部長の後任ですが、廃棄物・リサイクル対策部長には由田秀人廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長を充てることといたしております。これは、7月20日付の発令になります。
  略歴その他については、この後で事務方からお配りいたします。
  私からは以上であります。

2.質疑応答
(問)知事会が地方への補助金削減案を公表した中で、これに環境省分、廃棄物処理等も含まれておりますけれども、改めて大臣の御所見をお伺いできればと思います。
(答)これは全く去年と同じ御質問だと思います。お答えも全く同じことですが、去年との一番大きな違いになりますと、まず交付金制度がつくられたということで、これが既に動き出しております。自治体とは非常にうまく連携をとって進んでいるところですので、ここでまた廃止になりますと、それらがストップしてしまうという問題点があります。それから、4月末にも3Rイニシアチブ閣僚会合を行い、まさに循環型社会の形成を日本が音頭取りをしていることでありますので、国内の足元のところでしっかりとそれに取り組んでいくためにも、市町村一体となって取り組んでいかねばならない。また、昨年と同じことでありますが、基本的に建設国債が財源となっている公共事業ということですし、廃棄物処理場は、焼却場などがそうですけれども、毎年作るわけではなくて、20年から30年のタームで作っている。そのときに大変巨額なお金が要るもので、資金需要が偏在していることから、市町村の日常的な経費のみで賄うことは適当ではない。こういった理由をベースに、私どもは、これらについては強く反対していきたいと思っております。
(問)環境省は、人事体制を刷新するのですけれども、この刷新したことの狙いというか、こういうことを念頭に置いてされたということがありましたらお聞かせいただけますか。
(答)一言で言えば、適材適所であります。それから、環境省の局とか部は、他の省庁と比べれば、大変限られた部局であります。つまり、結構オールラウンドプレーヤーが揃っているということで、これから環境省の行政、さまざまな分野に広がっていますけれども、環境省として一丸となって脱温暖化社会と循環型社会を構築する、そのための配置をさせていただいたところです。
(問)アスベストの専門家委員会ですけれども、いつぐらいをメドに、どのようなことについて取りまとめ、意見集約をしようと考えているのでしょうか。
(答)できるだけ早くということです。また先ほど申し上げましたように、アスベストの物性、使用状況、暴露状況に詳しい科学者の方々、疫学・臨床の医師の方々にお話を伺うという方針は大体おわかりいただけたかと思います。よく厚生労働省とも連携を取りつつ、今申し上げたような方々にお集まりいただき、またそこでの助言を基にして、今後の方針の参考にさせていただきたいと思っています。意見集約はできるだけ早い方がいいと思っております。
(問)これまで国内で、アスベストの一般環境への疫学調査はほとんど行われていないのですが、この会でどういう仕組みをつくればできるのかということまで具体的に、ある程度検討することを考えているのでしょうか。
(答)まずは、皆さんにお声かけをして、そのあたりについても伺って、意見交換を踏まえて進めていきたいと思っています。
(問)それに関連して、公健法、あるいは労災の適用にならない方の被害も、今後考えられると思うのですけれども、そういう法のすき間に落ちた方の救済については、何か考えられていらっしゃいますでしょうか。
(答)まだ実態はよくつかめていないものの、データは次第に集まりつつあります。公健法の範囲や、あるいはそういった方の救済についても、データで出てきたことなどからも判断しなくてはならないと思っています。今は、調査報告を随時集めつつある状況ですから、そういったことを踏まえて考えていきたいと思っています。
(問)専門家の委員会については、立ち上げはいつ頃を考えていらっしゃるのですか。
(答)早急に立ち上げます。
(問)厚労省とは、別の形ですか。
(答)一応、別ですね。ただ、これも、アスベストを研究されておられる方はそうたくさんいらっしゃるとも思わないので、お互いうまく連携をとれるような形も考えていきたいと思っています。
(問)人事ですが、今回、炭谷次官が3年目に突入されることになったのですが、霞が関の中では、ちょっと長いのではないかなと思うのですけれども、そのお心をお伺いしたいと思います。
(答)適材適所ということに尽きます。炭谷さんも、ある意味で霞が関的発想をされないということが、私との最大の共通点ではないかと思いますので、その意味で私自身も、炭谷さんの存在は大きいものだと思っています。
  いずれにしても、先ほどの人事の心といえば、やはり役所というのは機能体であって、運命共同体ではないということに尽きると思います。運命共同体というのは、仲間うちでうまくやっていくためにはどうすればいいか、そういった視点でもって組織をつくっていく。政党は機能体、国民に対してどういう政策を作って、国家をどのように繁栄させていくかといったような、そういう機能を持つのが本来の姿だと思います。派閥というのは、これまでは、そこからリーダーを出して、みんなでその派閥の運命を共同にしていこうというものではないかなと私は思うのですが、役所というのは、機能体であるべきだと思っています。今、幾つかの問題が出ているのは、それはむしろ役所が運命共同体になったという、そこが指摘されているのではないかと私はかねがね思っておりますので、今回の人事を考えるに当たっても、やはり役所というのは、国家運営の一部を担って、そのためにベストを尽くすためにはどういう人材で、どのような予算で、どのような政策で進めていくかということが必要だろうと思っております。それを踏まえながら、先ほどの人事を考えさせていただいたということでありますし、またそれぞれがそれぞれの分野で最大限の力を発揮してくれるだろうと思っています。
(問)適材適所を考える大臣としては、空席の大臣政務官を、今後どういうふうになさるお考えですか。
(答)適材適所の方がいらっしゃれば、それは官邸と相談しながらということになろうかと思います。
(問)官邸に対しては、空席状態を解消してほしいという御要望など、何か御相談はされているのですか。
(答)ええ、そのことについては申し上げています。というのは、ほかの役所は副大臣が数人、または政務官が複数いらっしゃるというケースですが、環境省はそれぞれ1人ということですから、その意味では、いろいろなイベントなどに出る際のやりくりなども結構大変というのは、既に官邸にはお伝えしています。
  ただ、もう法案は上がっておりますので、これからの委員会対応などの問題は、基本的にはないものだと思っています。
(問)とりわけ官邸から、ちょっとこの時期に人をあてがうのは難しいと言われているということはないのですか。
(答)政務官は官邸からあてがわれるものではなくて、私が任命するものでありますから、今、特にそういったイベントなどへの人の配置は、数が少ないという分であおりはありますけれども、特に問題はないと思っています。
(問)知床が、自然遺産への登録が決まったことについて、大臣のご感想と、今後、国が自然の保全にどのように関与していくのかということをお伺いします。
(答)昨日、知床が登録されたということを聞いて、本当にうれしく思いました。私自身も、環境大臣に就任してから最初に取り組んだ自然の分野でのテーマでありますし、非常にうれしく思いました。また、IUCNからのいろいろな勧告も受けて、地元の方々もそれに対応されるために、いろいろと御苦労をなさったわけです。それを踏まえての登録ということですから、非常にうれしく思っていますし、地元の関係者の皆さんの御努力に敬意を表したいと思っております。
  また、エコツーリズムの定義づけということですが、エコツーリズムという言葉だけが先行していったきらいがあり、これは下手をしますと、ツーリズムの方が先に出て、エコが後回しになってしまいます。そうなると、最大の宝であるすばらしい自然が壊されてしまって、元も子もなくなるわけです。ですから、その意味でエコツーリズムの定義を再確認し、エコとツーリズムの適切な運用という観点から、しっかりと地元の町の皆さんとも、また観光産業の方々とも、うまく連携をとっていって、すばらしい自然であり、また今や世界の宝となった知床をしっかりと守っていきたいと思っております。

(以上)