環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


小池大臣記者会見録(平成16年11月5日)

1.発言要旨
 おはようございます。
 まず、今日の閣議ですけれども、一般案件が2件、国会提出案件が2件、政令が5件、配布が1件でありました。
 閣議では、犯罪白書について、天皇、皇后両陛下の新潟行幸啓について、それから人事、新潟の現状などについて報告がありました。
 また、イラクで殺害されました香田さんの御葬儀に、政府から谷川副大臣が出席するということであります。
 私からお伝えすることといたしまして、まず環境税です。環境税については、これまでリッター当たり2円などで約1兆円の税収になるのではないかということで、産業界からも強く反対があったところでありますけれども、環境省案を作成いたしました。皆様にお配りした文書がそれです。特徴は、環境と経済の統合を図るというのがポイントでありまして、環境保全上の効果を確保しながら、家庭と企業の経済的な負担をできるだけ軽減しようということで十分配慮したものとなっていると考えています。
 具体的には、税収を主に温暖化対策に活用するということで、税率を必要最小限といたしました。また、税収を温暖化対策の支援だけでなくて、雇用の促進などの企業活力の維持・向上にも活用していきたい。3つ目といたしましては、国際競争力、産業構造の激変緩和へ配慮いたしまして、また同時に、低所得者層、中小企業層へ配慮いたしまして、さまざまな軽減措置を盛り込んでいます。
 皆様方には、ロシアのプーチン大統領の京都議定書への署名というのが今日か明日かということで、ずっとお待ちいただいているわけでありますけれども、京都議定書が実際に来年2月に発効いたしますと、我が国の6%削減約束というのが真に具体的なターゲットになるわけです。その6%の削減約束の達成の道筋としても、この環境税を位置付けていきたい。
 そしてまた、中長期的には環境税の導入ということで国民のライフスタイル、それから社会、経済システムを脱温暖化へと導いていく、転換する、その推進力になり得るものだと思っております。そもそも、資源のない我が国であり、また、その資源、エネルギーを消費する国であるというこの2つの現実の中で、地球温暖化というテーマ、これをどう乗り越えていくのかということでは、ある意味で環境税を求心力として国民の皆様方と協力して、また産業界にも協力していただいて、同じ方向に向かって我が国として環境の保全、地球温暖化に対しての対応をしていこうというものであります。
 中環審、政府税調、それから各党の税調、税制改正要望などで御審議をいただくということになりますけれども、さらには、霞ヶ関関係省庁との連携、それからもちろん国民の皆様方の御理解、産業界からの御理解ということを得まして、またできるだけ私は国民的な議論、この日本の国の環境をどうするのか、地球温暖化に対してどうするのかということの議論がまず沸き起こって、そして最大のポイントにたどり着くということにいたしたいと思っております。
 また、国民との対話ということでは、明日午前10時から東京で「環境税を語る会」を開催いたします。そこで、私も直接環境税について御説明をさせていただくということになっておりますので、是非とも皆様方もいらしていただきたいと思います。
 もう1点、現在来日しておられますイギリスの環境・食料・農村地域省の閣外大臣でいらっしゃるモーレーさんと昨日会談を行いました。地球温暖化の分野での日本とイギリスの協力、それから京都議定書の発効を間近に控えたお互いの取組、さらには、英国では既に気候変動税を取り入れておられます。そこでのさまざまな経験、それから来年開催します、小泉総理の提唱した3Rイニシアティブの閣僚会合、こういったことについてお伝えするとともに、意見交換をさせていただきました。
 1つ具体的な協力案件として、ここにありますけれども(パネルを示す)、環境省とイギリスが連携をいたしまして、中学生向けの英語のテキストを兼ねた環境教育用教材「地球温暖化対策普及啓発用CD−ROM」を作成することになりました。ちなみにお豆さんは「コマメちゃん」、それからイギリスのどんぐりみたいなのは「ブリテンちゃん」といいます。コマメちゃんとブリテンちゃんがお友達になって、それぞれ環境教育をやっていこうという、そういうCD−ROMであります。
 環のくらし応援団の「モーニング娘。」の環境ユニットとして皆様もご承知の「エコモニ」に協力いただいて、来年の3月までにこのCD−ROMを作成します。そして、その発表の場は「愛・地球博」ということにいたしたいと思います。
 公開に当たっては、中部圏内の中学校でモデル事業を行います。そしてまた、手を挙げてこられた全国の学校にも配付を予定いたしております。
 それから、今月の27日、京都で開催されます京都議定書シンポジウムに英国からパネリストとして御参加いただくという、もう1つの具体的な協力についても、昨日、話をしたところであります。
 私からの御報告は以上であります。

2.質疑応答
(問)環境税について、基本的な考え方は大変よくわかるところですが、一方で、まだ国民の中にはなぜという部分がなかなかぬぐえてないのではないかという思いもあると思います。今の話と重なるかもしれませんが、国民に向けて、なぜ環境税が必要なのかということを大臣のお言葉で言っていただけますでしょうか。
(答)今年の夏の猛暑を挙げるまでもなく、地球の異変ということについては、国民の皆様方は肌で感じておられる部分があろうと思います。実際に、地球温暖化という観点から、さまざまなエネルギーの動向を見ましても、京都議定書で6%削減をすると言っていたのが、逆に現時点で7.6%、ひょっとして最新ではもう少し高い数字が出るのではないかと思っております。
 これは、世界に向けた約束でありますけれども、残念ながらエネルギーは多消費であって、そしてまた、その中から温室効果ガスが大量に出ている。そのためには、まず私たちのライフスタイルそのものを見直すことが必要になってくるわけです。
 この環境税というのは、温室効果ガスに対して賦課を掛けるものでありまして、みんながエネルギーをセーブすれば、それだけ税金がかかる分は少なくなるというようなインセンティブの効果があるものです。それによって、より環境に負荷の少ない、地球の温暖化につながらない、逆に言えば省エネ製品などへの買い換え需要が高まったり、またこのコマメちゃんではありませんけれども、電気を小まめに消していくといったような身近な、みんながすぐにでもできるライフスタイルに変わっていくことができるというふうに思っております。
 また一方で、産業界からは国際競争力を削ぐものであるということで反対をいただいておりますけれども、そういった日本の経済に大打撃を与えるような税のシステムではなく、むしろ産業にとっても、省エネ製品など日本は既に世界一の部分もありますけれども、さらにはそこの部分を伸ばしていくことによって、日本の経済が環境によって元気になる。そのために、環境税をちょうだいすることによって、またそのお金は環境にプラスに活かされるよう、公平で、そしてまた公正で透明なシステムによって運営をしていこうと、このように思っているところであります。
 環境税の導入で、もう一度改めて日本の皆さんに、日本の国民がそろって環境に対するアクションを起こしていただきたいと思います。
(問)重ねてもう1点、今、産業界のお話が出ましたけれども、大臣は先般以来、ずっと業界の団体の方とお話をされて、なかなか厳しい御意見もあったわけですが、今後、産業界にはどういう形で協力、あるいは理解を求めていかれるのか、そこをお聞かせください。
(答)これまで産業界から環境税に対しては反対であると。ただし、こういった場では、税を別にして、実際にいい意見交換を重ねてきたと思っております。
 今度は、環境税の環境省が出しているこの案を、またポイントポイントで説明をして、御理解をいただくということでありまして、それぞれ経済団体のトップの方々には直接私の方から御理解いただけるような、そのような接触もしております。
(問)税調の石会長は、本格的に議論するにはちょっと時間が足りないというようなことをおっしゃっていまして、国民の理解を得るには相当時間がないと思うのですが、その辺はなぜこの時期まで遅れたのですか。
(答)これまでいろいろな場での審議を踏まえて、今回、この案を出すことになったわけですから、決して遅いとは思っておりません。また、これから政府税調でも精力的に御審議いただけるものだと思っています。
 国民の議論をこれから重ねていくには、皆さんの御協力をよろしくお願いしたいと思います。
(問)税率のことですが、必要最小限と大臣はおっしゃいましたけれども、場合によっては、大分下げたことによって、税の効果といいますか、あるいは環境税そのものの税率が低かったらどれだけ環境税としての効果があるのかという、そういう二面の部分も含めて、妥協したのではないかという面もあろうかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
(答)まだ十分妥協はしていないと思います。まずは、この環境税というものについて、理解していただくということも1つですし、またさまざまなシミュレーションを行いまして、これによってのCO2、温室効果ガスの削減効果というものも十分あるということです。ですから、反対の議論なども十分耳に届いておりますし、またそういった激変緩和ということを考えていくと、このような形でスタートするのがいいのではないかと思っております。
(問)全然話題が違って恐縮ですけれども、パレスチナのアラファト議長が重体、一部では亡くなられたという情報なども入っている状況ですけれども、そのことについては何か情報はお持ちでしょうか。
(答)今どうかという情報については持ち合わせておりませんけれども、かなり厳しい状況だということは報道で存じ上げております。
 中東和平にとって、これまでの大黒柱であった方だけに、今、パレスチナの地におられないということが既に大きな意味を持ってきているのではないかと思います。
 ただ、これまでも何度も九死に一生を得、不死鳥と言われた人でありますので、今、大変厳しいということですけれども、力を振り絞られるのではないかなということを期待しています。
 いずれにしても、また世代が大きく変わっていく節目であろうと思います。その意味では、パレスチナに空白ができて、それがさらなる混乱を生まないような知恵をパレスチナの人たちに働かせて欲しいものだと思いますし、回復を願う1人であります。
(問)大臣、おつき合いはかなり長いと思いますが。
(答)そうですね、22年、長いですね。
(問)環境税にもう1回戻ってよろしいですか。
 大綱の見直しを前提として、環境税財源その他というのを考えてらっしゃると思います。しかし、産業界も反対ですし、昨日、産構審では直前になってこの対策みたいなのを出されて、なかなかこれから大変だと思うのですけれども、もし入らない場合は、大綱の見直し自体、中身が影響を受けることになるのですか。
(問)我々は入らないということは考えておりません。また、入らないことが大綱の見直しそのものの見直しになるとは思いません。大綱は、対策がこれでは足りないということですから、それの見直しとしてやっているわけです。追加的な施策としてやるわけですけれども、まずこれでできるだけ多くの理解が得られるように、その努力をしていきたいと思っています。
(問)先ほど来、環境税について厳しいという話が出ていますけれども、まさに京都議定書が発効になりそうだというこの時期、状況は、かなり追い風といいますか、良好というお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)皆さんによる世論調査であるとか、政府が行っている環境税に対しての世論調査を見ますと、環境税の中身にまだ言及していないにもかかわらず、是とする方々が多いことがまずあります。その上で、この京都議定書が発効するというモメンタムがあります。そこで私たちの環境税の案について、もっともっと詳しく、その効果のほどや、そして納税者から見れば不透明性に対しての不安もおありでしょうから、そういった点を払拭し、なおかつ環境税の真の考え方などを理解していただけるようにこれからも猛烈にアピールしていきたいと思っています。
(問)京都議定書の関係で、アメリカ大統領選でブッシュ大統領が再選ということで、京都議定書へアメリカがもう一度復帰ということはなかなか難しいのかなという気もしますが、今後、国際競争、COP10を含めて議定書への働き方、あるいはその後の枠組みについてどのようにお考えになっていますでしょうか。
(答)今回、ブッシュ大統領が再選されたということで、政府それぞれからお祝いの電報なり、メッセージなりを送っておられる、他の大臣たちもそうだと思いますけれども、私もお祝いのメッセージを送らせていただきました。その中に、京都議定書への復帰という一文も入れておきました。
 ちなみに、ブレア首相もお祝いのメッセージにその一文を入れておられるということを聞いております。
 それからまた、これから暮れにはCOP10もあります。今回、モーレー閣外大臣とお話しさせていただき、これからどのようにしてビヨンド京都の枠組みを構築していくかといったような話にも言及させていただいています。この点では、先ほど御紹介した日英の連携というのは、私は結構強いものがあると思っていますので、このあたりも含みながら、説得、そしてまたアメリカのみならず中国、インドなどを含めた形での次なる枠組みということも取り組んでいきたいと思っています。
(問)環境税ですけれども、この税が求めているのは、国民全体の温暖化への取組と産業構造の転換ということが2つの大きな柱だと思うのですけれども、先ほど大臣がおっしゃったように、必要最小限の税率にしますと、例えば効果が本当にあるのかということで、逆に税収は増えるけれども、国民の意識がなかなか進まない。一方で、逆に国民が環境に配慮し始めると今度は税収が、4,900億円とありますけれども、本当に確保できるのか、そして産業構造の転換というのが必要なのかというような、そういう微妙な関係が税収の国民の意識にあって、いろいろ税に対してはあるとも思うんですが、ここのバランスは十分とれているとお考えでしょうか。
(答)さまざまな経済モデルでシミュレーションを重ねた結果、まずこれでスタートするというのが両方の、配慮を進めれば逆に税収が減るとか、そういった観点なども考慮した上でベストチョイスということで出させていただきました。
 また、今回与党が環境税や気候変動税について、各国、特にヨーロッパで既に導入しておられるその制度を見てこられたわけですけれども、そういった視察団などのこれまでの調査報告なども参考にすると、ヨーロッパと日本とは若干税の事情が違いますけれども、社会保障の方に目配りをした形でヨーロッパでは対応しているということがあります。
 私は、ずっと経済界の方々とお話をしていて、大変国際競争力などへの懸念などもあるということで、社会保障について―どこにするかというのは今後関係の省庁との関係もありますし、また実際に政府税調、それから与党、国会の考え方もあるでしょうが―雇用などを含んだ形での社会保障ということを盛り込ませていただきました。これは、これまでのリッター当たり2円というざっくりしたところからは、皆さんからすれば読み取れなかった部分ではないかなと思っています。
 その意味で、地球温暖化に全部つぎ込むのか、それともさまざまなところに配慮しながらやっていくのかということについては、まず環境税ということについて皆さんに考えていただきたいということ、そしてまた、今私たちはさまざまなモデルを通じて最善の案として今回これを出されていただいているわけで、これについての理解をさらに深めて、広めていきたいと思っております。
(問)税の名称ですけれども、かつては温暖化対策税といったと思うのですが、環境税ということでこれからいくのでしょうか。
(答)まずは短い言葉で、皆さんも文字数が少ない方がいいかもしれませんというので、環境税として、まあ名称も案ではありますけれども、進めていきたいと思っております。
(問)他のエネルギー関係諸税の関係で、石油・石炭税については調整が必要ということを言われていたのですけれども、揮発油税とかそういったその他の税との調整については、今後どうなってくるとお考えですか。
(答)関係省庁との調整ということは、これからの課題だと思っています。
 もう1つ、言い忘れたことがあるのですけれども、本日2時半ごろを予定していますが、幕張メッセのモーターショーを視察することになっております。特に、今回はトラックとかバスとか、そういう商用車が展示されているということで、商用車の部門もCO2、温暖化から言うと大変大きな部門なので、しっかり見てきたいと思っています。
(問)一般家計への負担が3,000円ということですけれども、この金額についてはどのようにお考えですか。
(答)月額で言うと250円ということで、御理解いただける範囲ではないかと思っています。

(以    上)