環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成16年4月16日)

(大臣)閣議の案件ですが、一般案件が3件、国会提出案件が8件、公布(法律)が4件、政令が3件でした。外務大臣から、今回の3人の邦人救出についての御報告と関係各省庁に対しての御礼がありました。もちろん、「まだ、邦人2人がそのままの状態になっていますので、今後ともよろしく。」という内容の説明もありました。国家公安委員長からも人質救出についての御報告がありました。
 閣僚懇では、文部科学大臣から教育に関して審議会が開催されるということで、「教育は幅広いので皆さんのさまざまな奇抜な意見を期待しているところである。」と述べられて、その後で、総理が「教育というものはみんなが何か考えを持っているから、それをよくしっかり受け止めて欲しい。」とおっしゃられました。イラクの問題では「何よりも政府結束して解決に当たっていきたい。」と総理からも各国の関係各位に対して協力ありがとうという意味の御言葉がありました。もう少し詳しく申し上げますと、「3名が解放されたことはよかった、ただ、新たに2名が捕らえられているということで、誘拐なのか何なのかわかりませんが、一刻も早く救出に向かうようにしていきたい。」と、同時に「各国の人質が捕らえられているということで、それぞれの政府も困惑しているところだろう。」と、「ただ、イラクの復興、支援については各国と協力して続けていくことが我が国にとっての責任であろう。」ということでした。本日は、総理、各大臣共にご苦労様という雰囲気でした。以上です。


(質問)人質解放から一夜明けて、改めて大臣の御感想をお願いします。
(大臣)3人をテレビを通じて見る限り、元気であるということに安心しました。むしろ、川口大臣の会見の方がかなり疲れていると思うぐらい3人が元気で、所持品も盗まれていないようですし、大きなトランクを引っ張って歩くシーンも出ておりましたけれど、いろんな怖い思いもされたと思いますが、危害が加わえられていなくて安心しました。ただ、新しく2人の消息が確認できていないということ、今回、3人の解放運動に関わってきた宗教者委員会の方でしょうか、あちらが無関係だと言ってますし、むしろこの2人を捕らえている人たちが全くの謎というのが不安に思います。今後とも、この2人の方々の一刻も早い救出を、また一丸となってやっていきたいと思っております。

(質問)解放するという連絡があってから、かなり時間がかかりましたが、その背景には何があったと大臣はお思いになられますか。
(大臣)よくわかりません。それぞれが、それぞれのメッセージをあらゆる機会を使って出していると考えますので、メッセージと実際のところは時折、かい離が見られることは常のことなので、むしろもう少し情報を分析をした上で判断しなければ誤った判断をしてしまうかもしれないという思いです。

(質問)本日の閣僚懇等でそういった解放に向けた説明は外務大臣等からありましたか。
(大臣)外務大臣から簡潔にこれまでの経緯と謝辞と2人の救出についての取り組みについての決意というような形で述べられました。簡潔ですが、意は明確な報告とこれからのお願いが述べられました。閣議そのものもそう長々とせず、むしろ、みなさん阿吽の呼吸で「よし。」という感じで呑み込めたというところだと思います。

(質問)今回、情報が錯綜していた部分がありまして、二度とこんなことが起きてはならないと思いますが、今後は、どういった情報の収集体制が必要だとお感じになられましたか。
(大臣)以前も申し上げたように、アラブで道を聞けばみな違うことを言うということと、ここはおれが仕切っているのだから、おれに任せろと10人いれば10人とも名乗りを上げる仕切屋と、それはそれで受け止めますが、やはりその人の背景がありますし、まず情報を得た上で、次にそこで分析して真偽と比重を考えるということに他ならないと思います。ただ、一般的にアラブの人は、それをよかれと思ってやってくれる無茶苦茶親切なところもありますので、そこはちゃんと意を酌んで対応することがまた新たな正確な情報をもたらすことにつながると思います。

(質問)一部の報道で、14日の段階でカタール大使の方に解放の情報が入っていて、それが日本政府に伝わっていたとありましたがその辺どう思われますか。
(大臣)それについては、聞いてません。昨日も園遊会でアラブの大使と話していて、「間もなく解放されるかも知れない。」と彼らはささやいていました。ただ、こういうことはこれまでも何回か彼らが言ってましたので、そこのバックグランドについてはよくわかりません。

(質問)今後の日本のイラク・中東政策に何か影響する部分はありますか。
(大臣)この間のブッシュ大統領の記者会見でもありましたように6月30日の主権の委譲に対して、今、各地域、各部族、各宗派、これが入り乱れて、自らの居場所をなんとか確保しようという動きがあるわけで、今回、ファルージャと言われていますがこれもよくわかりません。そういった各地域、各部族、各宗派、こういったことが今回の人質にも関連している。つまり、カードとして持とうということ等が考えられた節はあります。ですから、これからの流れ、例えば、サドルの動きも少し変わってきています。アメリカの強行な形に逆に歩み寄ってきつつあるというような状況ですから、これからは、今回の人質の解放ではありませんが、一喜一憂の駆け引き、お互いの腹の探り合いとか、それが対アメリカ、イラクの各関係組織同士の引っ張り合いで、これから6月30日までの流れは、大体そういう方向で行われるのだと、腰を据えて見ていく必要があると思います。日本は、今、サマワにおける自衛隊による復興支援を淡々と、また、サマワの市民と理解を深めつつ続けていくということが大切だと思います。私も今回の人質解放の時にいろんな情報がきましたし、また、こちらからも求めていきました。そこで、面白いと思ったことは、「日本は南の方のことばかりやっているよね。」と「北のことももう少しやってくれないか。」というような話が飛び込んできて、「ん。」と思いました。ですから、日本は出ていけどころではなくて、むしろ、日本にもっとやって欲しいというような情報が飛び込んできました。

(質問)小池大臣は、その北の方に支援の網を伸ばすべきだとお考えでしょうか。
(大臣)まずは、現時点では、日本は自衛隊による支援ということ、また、そういう方法でなければ、NGOの人たちが全てソフトターゲット中のソフトな部分だと見抜かれていますので、まだ、それを繰り広げる必要はないと思います。よって、自己完結型の自衛隊ということになりますけれども、まだ、北の部分は、様々な制約を背負っている自衛隊にとっては十分安全とは言えないので、今はまだ早いと思います。ですから、イラクの人たちも今、自らの居場所の確保と言っていますが、どこかの時点でイラクとしてのまとまりを持つことが、イラク全体の復興につながるのだという大きな目を早くもって欲しいと思います。お互いの内部の権力闘争がいかに他のイラク国民を巻き込んだ形で、復興や各国からの協力を遅らせてきているかということについてももう少し目を見開いて欲しいと思います。

(質問)大臣自身は、閣僚懇等で発言をしましたか。
(大臣)本日はありませんでした。

(質問)先ほど、こちらからもいろんな情報を求めてきたとおっしゃってましたが、具体的にはどのようなことをされましたか。
(大臣)私の人脈で状況等を知らせて欲しいということで、あちらこちらでお願いしていました。

(質問)森前首相とプーチン大統領の懇談会について、何かお聞きになっていますか。
(大臣)本日、お帰りになると伺ってますので、そこからご本人から直接伺うのがいいと思います。まだ、暫定的なことしか伺っておりませんので。

(大臣)本日の参議院の本会議は、外来生物の件がでますが、衆議院の大気汚染の審議がどうなるのか心配しているところです。法案は、一つずつ粛々と進めさせていただいています。今後が見えなくなってきているのが心配です。

(了)