環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年9月16日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が3件、国会提出案件が2件、政令が4件、人事案件が3件ありました。
 環境省関係では、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」がありました。
 モスクワの世界気候変動会議に財政的支援をすることといたしました。9月29日から10月3日まで、モスクワで世界気候変動会議が開催されます。この会議は、主に気候変動問題の科学的側面について議論することが目的でありまして、昨年12月の国連総会において同会議の開催を歓迎する旨の国連決議が採択されました。それから、本年6月にボンで開催されました、気候変動枠組条約補助機関会合においても各国への協力が要請されました。この会議の開催におきまして、ロシアより、我が国等の先進国に対して、途上国からの参加を促すための支援要請がなされました。環境省としても、国連決議や条約補助機関会合における協力要請を考慮しまして、どのような貢献ができるか検討してまいりましたが、同会議の準備作業に参加しております地球環境戦略研究機関・IGESの協力を得まして、同機関から2万3千ドル、約270万円の資金的な支援を行うこととなりました。この資金は、アジア地域の途上国からの出席者10人分の旅費に充てられるということです。同会議までに、ロシアの京都議定書批准が時期を含めて明らかになることを期待したいと思います。

(質問)モスクワの会議でロシアが京都議定書を批准するかどうか、その辺の見通しについて情報は入っていますか。
(大臣)いろいろな報道がされていますし、また、外務省を通じて情報収集をしていますが、手続的には進んでいると理解しております。それが国会との都合、向こうの下院にあたるところも今年選挙になるということもありまして、いつ批准がなされるのかどうかということも含め、不明確な点が多いということです。我々としては、9月の会議も一つの節目でございますので、批准について何か明らかな表明があれば良いなという期待をこめて注視しているところです。

(質問)財政支援についてですが、京都議定書批准の時期表明と絡めて、日本からの働きかけや期待があった上で支援を決めたということでしょうか。
(大臣)働きかけについては、今までも継続してやっておりました。これと、何か批准についてのものが、直接の絡みの中で行っているわけではありません。

(質問)資金協力について、先進国は大体どこもやるのでしょうか。
(大臣)やると理解しております。

(質問)他の先進国で資金援助をするとしているところがあれば教えて下さい。
(地球環境局)今分かっている範囲では、アメリカ、カナダ、ドイツ、デンマークが同様の資金を拠出するということです。

(質問)支援の規模は大体同じくらいでしょうか。
(地球環境局)大体、途上国からの出席者の方の旅費10人分という形でロシアから各国へ要請がいっているということです。

(質問)この会議の参加国は大体どのぐらいになるのでしょうか。
(地球環境局)いわゆる学会的な要素の会議でありまして、参加国が何カ国かという詳細は把握しておりませんが、大体1500名ぐらいの科学者、専門家、産業界、事業者等が参加するということです。

(質問)国の数ではわからないということですか。
(地球環境局)はい。

(質問)沖縄の視察について、ご報告をお願いいたします。
(大臣)3日間行ってまいりまして、初日、翌日の午前は沖縄本島、2日目の午後は西表島、3日目は石垣島を視察いたしました。いずれも、西表の国立公園を始め、自然が豊かなところでありまして、環境省として、そうした自然保護の重要性を改めて感じました。一方において、地元の皆様の中にはいろいろな開発をしたいという願望も、率直に言って感じました。もちろん、地元に開発反対という方もいらっしゃいます。一般的に言ってそうした環境保全と、それの賢明な利用との調整の難しさが大きな課題としてあるのだなと感じたところであります。

(質問)視察を受けて、何か具体的な政策などをお考えでしょうか。
(大臣)個々のものについては、環境省としても今まで対処してきた経緯があると思います。例えば泡瀬干潟について言えば、環境アセスメントの中でとるべき環境保全措置が出ているわけですから、やはりそれはきちっと事業者において、沖縄県、内閣府においてきちっと守っていただかなければ困るということで、昨年の10月、今年の7月に申し入れをしておりますが、折にふれ、これからも必要に応じてきちっと事業者に申し入れをしていきたいと思います。
 辺野古につきましては、1月に移設施設の建設協議会が開催されました。これから始まるわけですが、その際に私も出席しましたが、特に環境保全については十分な配慮をしていただきたいという旨の発言をいたしまして、防衛庁長官からもその旨は了解したという発言をしていただいたところでございますので、政府として進めるに当たって、そういうことを基本にこれから始まりますが、しっかりと環境保全をしながらやっていくということだと思います。
 全体を通して言いますと、これは環境省の方針ということではなく、私が個人的に感じたことですが、いろいろな経緯もあって、環境影響評価法、環境アセスメントができました。そして数年経っているわけでありますが、本当に自然環境保全をしようとすれば、今は、できあがった環境アセスメント法に基づいてきちっとアセスメントをして環境保全を図っていくということが基本ですが、将来的には、環境保全という観点から、言われるところの戦略的アセスメントとか、そういう内容についても検討をすることもあるのではないかと思います。これはもちろん、今、具体的な日程に上っているものではありませんが、環境省でも勉強をしているところでございます。将来は、そういうことをどうしたら良いのかというようなこともありうるのではないかという感じがいたしました。

(質問)もう少し具体的に戦略的アセスメントをご説明していただきたいのですが。
(大臣)いろいろ勉強中ですが、今は事業を導入するということが決まってから、その事業を実施するということを前提にどういう環境影響評価が出てくるかということですが、それよりも、まずその地域全体の評価を、どういうことが必要かということを考えて、その地域にはどういうような事業を入れるのが相応しいのか、あるいは相応しくないのか、そういった、事業の導入が決まってから環境影響評価をするのではなく、その地域を見た上で相応しい事業、相応しくない事業が評価されるようなものが良いと思います。戦略的アセスメントという言葉があって、その中身はいろいろと研究しなければなりません。まさに勉強中です。そういった一歩進んだものも、将来的に考慮する価値があるのではないかと思います。もちろんこれが具体的な日程に上っているものではありません。

(質問)今日の午後、温暖化対策税を大臣と語る集いがありますが、大臣の方から、特にこの辺を強調したいということはありますか。
(大臣)今日は皮切、第一回目でございますので、むしろ、今日一回やってみて、お集まりの皆様から反応、その他を受けて、こういうところを強調すべきだということを感じるのだと思います。今日は素直な気持ちで広く議論をしていただくということが重要ですので、特にどこを強調するということはなしに、素直な気持ちでお話させていただきたいと思います。

(了)