環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年7月25日)

(大臣)本日の閣議では、国会提出案件が4件、法律の公布が3件、政令が13件、人事案件が3件ありました。
 環境省関係では、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律第2条第2項の法人を定める政令の一部を改正する政令がありました。これは、独立行政法人に関する事務的な改正の政令です。
 閣議に先立ちまして、第4回公害対策会議を開きました。今日の議題は、「富士地域等5地域の公害防止計画の策定指示について」「自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画の同意について」「公害対策会議会長専決要領の一部改正について」でございましたが、いずれも了承されました。また、会長の専決で決めましたことの報告をさせていただきました。


(質問)今日、中央環境審議会の地球温暖化対策税制専門委員会が開催されます。ワーキンググループがまとめた環境税の報告書をたたき台にして議論を始めますが、大臣としては、今夏、環境省がまとめる案についてはどれくらい具体的なものに絞り込むつもりですか。
(大臣)ワーキンググループの検討はしっかりやっていただいたと思います。例えば税でいくのか課徴金でいくのかといったところから、きちっとやっていただいたと思っています。その中で、例えばどの辺に課税するのかということについて、ワーキンググループの検討の中では、上流ではないかというような、ある方向性をきちっと示した分野もあります。しかし、やはり税率のようなものについては、来年の第1ステップの見直しをしないと、どの程度の規模にするのか決まってきませんので、当然、今の時点では具体的に触れられない部分もあると思います。しかし、総体としては、これから国民の皆様に十分議論をしていただけるような、今までそれぞれの人がそれぞれのイメージで語っていたようなことではなしに、しっかりした姿を示せるものにしていただけると思います。

(質問)今日の午後、茨城県神栖町のボーリング調査の結果が報告されると思いますが、これについて大臣は説明を受けていますでしょうか。
(大臣)神栖町につきましては、原因となるものがまだ発見されないということで、住民の皆様からのご要請は、早く因果関係を明確にし、原因となったものを発見して、きちっとした措置をとってほしいということです。それが最終的な安心、安全に繋がるということで、私たちもそういった認識を持っております。今までの調査で、原因物と思われるものがまだ発見されていないわけですが、今日、専門家の先生方のご意見も聞いて、今後、更にどのような調査方法で進めていったらよいのか、やはり専門家の方々のご意見を聞きながらでないと進められませんので、そうしたものをしっかり踏まえて、最終的に原因物が特定できるように、そして、その危険性が除去できるように努力したいと思います。

(質問)先日、民主党と自由党の合併が発表されましたが、この件に関して大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大臣)率直に言って、当面、合流話はないと思っていましたから、急展開で驚きました。もう一つ、自由党が解散をして、民主党にそれぞれの方々が入党するという形で行われたということに驚きました。これによって、どういった政治的なインパクトを与えるのか、影響を与えるのか、もう少し見てみないとわからないと思います。今言われています11月が仮に選挙だとすると、そこで今回の合流がどういう評価を受けるかどうかが出てくると思います。政治の世界はとても動きが早いですから、11月まで3カ月ありますので、合併が完了するまで、候補者の調整など、両党の間でまだまだいろいろなことがあると思います。ですから、今しばらく様子を見極めないと、今回の合流が、今の政治にどういう影響を与えるのか、ちょっと判断しかねる状態です。

(質問)環境税の話ですが、石油連盟や鉄鋼連盟などは、環境税にかなり批判的なことをはっきり言っていますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大臣)導入について積極的な立場の方、また、非常に消極的な方がいるということは従前から承知しております。そういった立場の方々がおられるということを前提に、まず議論をしなければならないと思っています。私共も、まず税の導入ありきということではないので、きちっとした手順を踏んでいった中で、どうやって京都議定書の国際約束を守っていくのか、そのためにはどういう手段をとったらよいのか、その一つとして経済的手法の温暖化対策税があるのではないかという、そういう議論の積み重ねの中での話ですから、初めに税ありきという立場では決してないと思います。そういう経済的手法を導入する際にはどうなんだということを検討するために、そうした案を取りまとめていただいていますので、賛成の方も消極的な方も、今回の案を検討のたたき台として、十分な議論をしていただきたいと、その中で理解を深めていっていただきたいと思います。

(質問)京都議定書が発効した場合、環境税の導入の議論にどのような影響があるとお考えでしょうか。
(大臣)京都議定書が効力を持つことになれば、やはり、いろいろな意味で国内対策をきちんとしなければならないという、更なる気運が高まると思います。むしろ、温暖化対策税について、これを議論することはまだ早いという立場の方、京都議定書が発効するかまだわからない段階で議論するのは時期早尚だとおっしゃっている方についても、京都議定書の発効が現実のものとなれば、温暖化対策税も含めた国内対策の一層の推進をしていこうという気運が盛り上がると思いますので、環境省としてもしっかりやっていかなければならないと思います。

(質問)京都議定書が発効した場合、環境税の負担は大変なので、コストの安い排出量取引だけでよいのではないかという、こういう間接的な意見が出てくると思いますが、どうお考えでしょうか。
(大臣)やはり、これは京都議定書の精神からしても、それぞれの約束した国が、国内でまず十分な削減努力をして達成していくことが、あるべき精神にのっとった形だと思います。日本国内では、できるかぎり削減努力をし、それだけでは足りませんので、京都メカニズムの中で、CDM、JIをやっていくということがあると思います。排出権取引をしなくてもよいぐらいやっていくことが基本です。最終的にどうなるかわかりませんが、あくまで補完的なものという位置づけで頑張らないと、国内対策そのものが手ぬるいものとなって、十分な効果が上がらないのではないかと思います。

(質問)ロシアの京都議定書の動きについて、調査結果をまとめたという報道がありましたが、確認はしましたか。
(大臣)外務省にも問い合わせていますが、まだわかりません。ロシアも、検討過程のものは表に出さないようです。ただ、今までの、望月政務官が訪ロしたときの話、ブレア首相とプーチン大統領が会ったときの話など、一連の様々な状況を見てみると、手続は進んでいるのではないかという印象を私は持っています。


(了)