環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年5月9日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が4件、国会提出案件が5件、政令が2件、人事案件が3件ありました。
 環境省関係では、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令がありました。
 閣議において、平沼経済産業大臣から、関東圏の電力需給の状況と節電への取組について、この夏において、電力不足が生じるおそれがあるので、原子力発電の再開に向けて全力を挙げていくということ、節電の一層の協力をお願いしたいという旨のご発言がありました。閣議後の懇談会において、総理から、国庫補助負担の廃止・縮減等、地方交付税の改革、税源移譲を含む税源配分の見直し、いわゆる地方分権に関わる三位一体の改革について、地方分権推進会議とも連携しつつ、各大臣に対して、「国から地方」への考え方に基づいて十分な成果を出すようにというご発言がございました。他にも海外出張された大臣等からのご発言がありましたが、特に報告することはございません。
 閣僚懇談会において、平沼経済産業大臣のご発言を受けて、私から、そうした節電の必要性、省エネルギーの必要性というのは、電力不足によるものですが、環境問題、とりわけ温暖化対策の上からも重要なことであり、是非これは進める必要があるという旨の発言をいたしました。


(質問)今日、旧日本軍の毒ガスの問題で関係省庁連絡会議があると思いますが、環境省として、今後どうしていくつもりでしょうか。
(大臣)今日の会議について、中身がどのような方向に進むのかは聞いていません。来週水曜日に専門家の会議を開き、どういう調査をすればよいのかという調査内容についての意見を聞きます。意見を聞いた上で、いずれ、調査内容を決めて調査に入っていくという段取りです。
(環境リスク評価室)今日の関係省庁連絡会議は、今まで神奈川県の寒川町の事案だけが対象だったものを、平塚、神栖町の事案も対象に加えるということです。

(質問)主にどのようなお話をするのでしょうか。
(環境リスク評価室)まず茨城、平塚について、現地の状況を報告していただくということにしています。

(質問)いずれ調査に入るということで、特に日付等は決まっていないということでしょうか。
(大臣)日付は決まっていませんが、できるだけ早くに十分な調査をするということです。

(質問)アザラシのタマちゃんについてですが、健康状態の把握など、今後、環境省はどのような点で関わってくるのか、改めて教えていただければと思います。また、県からどのような相談がきて、環境省としてどういう対応を取っていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(大臣)4月16日から鳥獣保護法が変わりまして、アザラシ等もその対象になり、それを捕獲する際には県知事に権限があるということになりましたから、今回のタマちゃんの問題も、県を中心に対応していただいています。先日の専門家を含む会議、これは環境省の職員も入りましたが、国土交通省、埼玉県、アザラシの専門家、動物園の方、埼玉県の獣医師会の方、そういう方で会議を開いていますので、そこを中心に、いろいろな専門的な見地からどうしたらよいのかについて議論がなされました。例えば今は釣り針が引っ掛かっているということですが、先般の会議での結論では、とりあえず生命には異常はないだろうということです。むしろ捕獲して外そうとすれば、アザラシに対するストレスですとか、場合によっては麻酔銃を撃った時、そのまま沈んでしまって水死してしまうのではないかというような、そういったリスクの方が大きいので、今はそのまま、当面見守っていこうということになりました。今後もそういう場で、よく見守っていく中で、よほど具合が悪くなったとか、非常に衰えたとか、そういう際にはこれをどうするかという議論がなされ、一つの結論が出されると思っています。環境省としては、それに参画をして、いろいろな助言、調整をするということが役目だと思います。

(質問)3月に京都で水フォーラムがありましたが、それを期に水基本法の議論が出始めています。内容はまだ詰まっていないと思いますが、大臣としてはどのようなスタンスなのでしょうか。
(大臣)水の問題というのは治水・利水など多岐に渡っていると思います。それによってそれぞれの担当省庁があるわけです。今のところは、担当省庁の責任、専門性というものを発揮していただいた上で、総合的な調整も図っていかなければならないと思っています。そういう一つの議論があるということは承知していますが、まだ中身についての具体的な、こういう点からこういう基本法を作る必要があるのではないかという、中身に詰まった議論がありませんので、そういう議論の推移も少し見守らなければならないと思います。そういうことも見守りながら、場合によって法体系をどうしていったらよいのかということも当然考えていかなければならないことかと思いますが、今のところまだそこまでに至っていないという認識です。

(質問)パナウェーブ研究所というものとタマちゃんの問題の関係が取り出されていますが、パナウェーブ研究所についての対応をどのように考えていますか。
(大臣)私も報道関係の記事でしか、パナウェーブ研究所なるものについてはよくわかりませんが、報道に聞くところによりますと、なかなか私の理解できるところを越えているという気持ちがします。それから、タマちゃんの捕獲をしようとしたグループとの関係についてはよくわかりませんが、前回のタマちゃんを捕獲しようとした行動については、やはりやり方が随分乱暴だなという印象を持ちました。環境省としては、タマちゃんというのは、誰かがペットとして飼っていたものを、飼いきれなくなってしまったから離してしまったとか、どこかの水族館から逃げてきたとか、そういった人為的なものではなく、タマちゃんの存在自身が自然現象の一つであるということですから、これは静かに見守るべきであるというのが私の考えでもあります。そういう中で、捕獲しようとした方々のやり方というのは随分乱暴だなという気がしました。

(質問)今回の埼玉県の際にも、環境省として、捕獲というのは好まないということですか。
(大臣)先程申し上げたとおり、何かすごく衰弱した場合などは、それにちゃんと対応するような組織をそれぞれ作っていただいています。埼玉県においても作りましたし、神奈川県の川にいた時も神奈川県の方で作っていただきました。ですからそこで、いよいよ衰弱すればどうするかという議論になると思います。今はまだそういう状況ではありませんので、見守っているということが大切だと思います。

(質問)無理矢理捕獲しようとする団体等についてもやめてほしいということですか。
(大臣)先般の専門家の会議でも、むしろ釣り針を取るということにしても、捕獲する方がリスクが大きいという専門家のご意見だったと聞いています。

(質問)毒ガスの件ですが、昭和48年の全国調査のフォローアップ調査をするという予定のようですが、現状ではどこまでやっているのでしょうか。具体的な予定などはありますか。
(大臣)5月ぐらいに始めて、秋ぐらいまでには取りまとめをしたいということを聞いています。

(質問)5月のいつ頃からでしょうか。
(環境リスク評価室)5月中ぐらいに、各都道府県にどういう形でお聞きするかということをまとめてお知らせをする予定です。

(質問)原子力発電の絡みで、電力不足が深刻になろうとしています。先程、環境省として、節電・省エネルギー対策、温暖化対策としても重要だというご発言がありましたが、もっと具体的に、ただ節電しましょうということではなく、どういう時間帯に消費者の電力消費パターンが上がるのかなど、もう少し効果的にやっていく必要があると思いますが、環境省としてこの問題について何かやっていく計画はありますでしょうか。
(大臣)具体的には、環境省のホームページで節電の呼びかけ、コマメに電気を消しましょうという呼びかけをしています。今日の私の発言も、その重要性を指摘させていただきまして、また、経済産業省ともよく連携を取らせていただきたいということも申し上げました。今まだ具体的なことはございませんが、経済産業省でも、節電に向けて行動を起こしていくということですので、環境省としてもよく相談していきたいと思います。
 これは雑談ですが、今日、平沼経済産業大臣に申し上げましたのは、私も聞いた話なので不確かで恐縮ですが、シンガポールでは、テレビの横に電気量の棒グラフのようなものが出るそうです。ここまでが電気量のリミットだということで、そこに近づいてくると、テレビを見ている人が、いよいよこれは電力がいっぱいになったということで電気を消したりするという協力をしているようです。平沼経済産業大臣にお話しましたら、それはおもしろい、調べてみようとおっしゃっていました。


(了)