環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年4月22日)

(大臣)本日の閣議では、一般案件が2件、国会提出案件が4件、法律の公布が1件、政令が2件、人事案件が2件ありました。環境省関係の案件はありませんでした。

(質問)茨城県の毒ガスの件で、昨日環境省が現地調査を行いましたが、その結果と今後の方針はどうなのでしょうか。
(大臣)昨日、職員が神栖町に参りまして現地調査を行いましたが、井戸に関しては2ヶ所調査いたしました。1つは環境基準の450倍の数値が出た井戸ですが、所有者の方の了解が得られないということがあり昨日は町道から見ました。所有者との調整については、神栖町で対応しております。今後、飲用水に係る健康影響の観点から、町の協力を得つつ茨城県が中心になって対応していく予定です。もう一つの井戸については、環境基準の
10倍程度の数値が出たものですが、これも民家の中にあるために現場には入りませんでしたが、周辺にボーリングしているところがあり、その箇所を見ました。周辺住民の皆さんのご協力は得られているということです。それから重要な点は、現場周辺の土地の履歴です。これは、海軍の飛行場ということもございますが、その後、砂利を採取して埋め戻したというようなところも含まれるということもございますので、そうした地歴について、詳細を把握したいということです。それから健康被害については、直接環境省ではありませんが、茨城県において検討がなされております。万が一、補償問題ということになりましたら、それは内閣官房で対応されるのではないかと思います。

(質問)昨日それに関して、昭和48年の旧日本軍の化学兵器の全国調査の内容を公表されましたが、資料を見ますと、青酸カリ、硫酸等もどこにいったかわからない状態だということですが、早急に何らかの対応をとるのですか。
(大臣)昭和48年の調査をフォローアップするということにいたしましたので、とにかくそれをきちんとして、秋ぐらいまでにはそれを公表したいと思っております。そういう中で、個々の問題で何か処理をしなければいけないものが出てくれば、当然対応するということだと思います。

(質問)秋というとだいぶ先のような気もしますが、それくらいの時間はかかってしまうのですか。
(大臣)昭和48年の時の調査を元にして、都道府県、各省庁に協力依頼をしまして資料を調べてもらうということもあると思いますし、当時の関係者の方にお話を聞くというようなことでございますので、そういうものを取りまとめるということになると、秋ぐらいまでにかかるのではないかという状況です。

(質問)防衛庁とも連携していくということですか。
(大臣)旧軍と防衛庁は、関係は全く切れておりますが、各関係省庁に協力してもらわないといけませんので、その中には防衛庁も含まれるということです。

(質問)昨日の資料は、防衛庁の罫紙に書かれていますが、あれは何を根拠に作成されたのですか。手書きでもあり、信用できるものなのかなと思う点もあるのですが、元の資料と今回の調査で元の資料についてもチェックしていくのですか。
(大臣)昭和48年の資料がひとつの基礎になると思います。その時からだいぶ年月も経っておりますから、48年の時にまとめられたものの元のデータがそれぞれ保管されているかどうかについては、調査をしなけらばわからない部分もあるかと思いますが、そういうものは、都道府県から聞き取ったものがひとつの元になっていると思いますので、都道府県にあるのではないかと思います。むしろ当時、証言してくださった方たちの中には、お亡くなりになられた方もあろうかとは思います。いずれにしても、48年に調査をしてからそのままになっておりましたので、もう一度調査の仕方を含めて、やるからには、より良い精密な調査の結果を得なくてはならないと思いますので、今どのような資料があるのか、関係者がどれくらいおられるのかということも含めまして、そういうことをひとつひとつ進めていくということだと思います。

(質問)海洋投棄をほとんどしているようですが、それについて問題はないのですか。沖合何キロの水深千メートル以上のところに沈めるべしとGHQが言って、船でポンポン棄てていたらしいのですが。
(大臣)その辺は、環境影響等の専門家の意見を聞かなくてはわからないですね。

(質問)調査結果の公表について、前回の調査ですと国会の答弁で概要が出た程度だったのですが、今回はどういう形で公表するのですか。
(大臣)形はどうなるか、まだ定かではありません。どういう手だてであろうかは別としても、いずれきちんと公表したいと思います。

(質問)今日の閣僚懇談会の中で、衆議院の松浪議員が処分の話はでましたか。
(大臣)でませんでした。

(質問)これについて、大臣のご意見はいかがでしょうか。
(大臣)私は松浪さんと直接お話をする関係ではございませんので、その実態、実状をきいておりませんし、新聞報道で知る限りのことしか理解をしておりません。やはり、政治家として、暴力団関係者との関係は避けなければいけないと認識しております。その関わりがどの程度か、私が知る由もありませんけれども、そういうことをご自身の判断として、そういう暴力団関係者との関係は、避けなければならない重大な点という認識をしっかり持って、自ら判断すべきことは判断してもらいたいと思います。

(質問)自分の出処進退を含めて、自分で判断するということですが。
(大臣)政倫審で述べられるということですから、述べられる際にも、そういう点は重大な問題であると認識していただきたいと思います。

(質問)京都議定書の件ですが、ロシアが批准が難しいという内部的な報告書をまとめたらしいということですが、それについては、どうお考えですか。
(大臣)そういう報道がなされたということは聞いておりますが、実際どうなるかということは、情報を得ておりません。この前の水フォーラムでも、EUの方々と意見交換をしましたが、ロシア政府内にいろいろな考えがあるというような感じがしております。しかし、基本的には批准に向けての準備が進められていると思っておりますので、いずれにしても、日本としては、京都議定書の早期発効、グローバルな取組の枠組みづくりということを大切に考えておりますので、早期発効に向けて、ロシアに対する働きかけを、我が国としてもしていかなければいけないと思っております。

(質問)G8では、ロシア側はどのような人が出てくるのですか。
(大臣)G8につきましては、まだ国会のお許しが出ていないものですから、お許しがあれば出席するということです。今聞いていることによりますと、UNEPで中川事務次官がお会いした、オソキナさんという女性の次官が出席されるそうです。

(質問)当然大臣が行かれた場合は、バイで話をされるのですか。
(大臣)事務的に申込みはしております。

(質問)埼玉県のアザラシですが、タマちゃんと同じ個体なのでしょうか。
(大臣)私もよくわかりませんが、ずっと見ている方は同じ個体だというようなことも聞いておりますし、報道によっては2頭というようなこともございましたが、環境省のサイドからは、私は情報を得ておりません。

(質問)県と環境省の連絡会議が昨日あったようですが、今後、場合によっては、更に広がる可能性もあるということですか。その辺のイニシアチブについては、どうなのでしょうか。
(大臣)神奈川県にいるときも、基本的には自然現象のひとつということで、見守っていくが、急に弱ったり、何か状況がおかしくなったら救助、手当をする体制は一応整えております。埼玉県に場所が移っても、そういう体制を敷くということが必要であると思います。

(質問)G8ですが、国会の承認が下りた上で行かれた場合、どういった点に力を入れていくのでしょうか。
(大臣)いろいろな議題的なものが既にあがっておりますが、日本としては、循環基本計画というものがあがっておりました。そういう中で例えば、資源生産性などの数値目標というものを掲げているわけで、そうしたひとつの共通の指標についての研究をG8の中で進めていくということが、重要ではないかと認識しております。日本としては、そのような主張をしていきたいと思っております。それからアフリカの問題ですが、フランスが旧宗主国だったということで関心があるのかと思いますが、WSSDの時からそうした低開発国の貧困の問題も含めて、関わりがあるということですので、それも一つの議題になっていると聞いております。

(質問)G8の中で、戦争後のイラクの環境修復を議題にしたいという考えはあるのでしょうか。
(大臣)日本としては、この問題はあくまで国際機関を通じた要請の中で、日本としてどういうことができるのか、どういう形で協力していくのかというということがあって、その中で環境問題が協力の中であがってくれば、それに対して環境省として協力していくということでございますので、積極的にこちらからG8の場に持ち出すということにはならないかと思います。ただ、いろいろなことを議論するわけですから、議論の過程においては、どこかの国からそういう話が出てくるかもしれません。

(質問)さきほどのロシアのバイ会談についてですが、改めてどのようなことを申し入れていくのでしょうか。
(大臣)これから詳細を決めますが、やはり基本は批准に向けての進捗状況をお伺いしたいと思いますし、是非早期に批准手続きをしてもらいたいという働きかけをしたいと思っております。

(質問)EUと共同で何か申し入れをするのでしょうか。
(大臣)G8全体では、日本とEUの立場は同じですが、アメリカやロシアは違うということがございますので、その辺は、全体会議の中でどういう扱いになるかというのは少し違うかとは思いますが、ロシアと日本のバイの会議では、そのことはきちんと日本としての考えを強くロシア側に申し上げたいと思っております。また、EUとロシアが二国間でやるということになれば、そこで同じような働きかけをされるのはないかという印象を持っています。

(質問)ロシアの批准を促すために、日本側から排出権取引等で何か提案をするようなことはあるのですか。
(大臣)今の段階では考えられません。今はJIについて、経済産業省がロシアと様々な協議をしているという段階です。日本国として排出量取引については、まだコミットしていないということでございますので、批准を促すために今回、何か日本が提案をするということは、今の段階ではまずないと思っております。



(了)