環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成15年4月15日)

(大臣)本日の閣議は、一般案件が3件、国会提出案件が4件、政令1件、人事案件が2件ありました。環境省関係はございません。


(記者)先日の選挙で、石原都知事が当選したあと、昨日ですが、大気汚染と花粉症で苦しんでいる人が多いのは、国が対策をとらないからということを含めて、不作為責任で国を訴えたいという考えがあるようです。矛先としては、環境省に向かってくる話ではないかと思いますが、どのように受け止めていますか。
(大臣)石原都知事のご発言を直接聞いてはおりませんので、どういうところの問題点を絞って言われているのかよくわかりませんが、大都市における大気汚染の状況を改善していくということについては、従来より環境省が取り組んでいることです。ひとつは単体規制、平成17年から世界で一番厳しい車種規制を導入したいと思っております。また、
NOx・PM法についても、猶予期間をおきましたが、これは関係者との話し合いの中で合意が得られたものですし、しかも少し後ろにずらしても、更に排出ガスの改良された車が出てきますから、最終的な効果としては同じようになるということでやっております。低公害車の導入もしており、環境省としても、不作為、何もやっていないということではなく、きちんとやっているという認識を持っております。
 それから、花粉症の問題ですが、大気汚染との関係があるのではないかというご指摘がございますが、これについても、まだしっかりとした状況はわからないということで、その研究を我々も進めなくてはいけないと思っております。
 また、ディーゼルの関係で言えば、低硫黄軽油の問題ですが、これについては、来年の末までに硫黄分の50ppm化を図るということ、またメーカーの自主努力により、本年4月から50ppm軽油が全国供給されているということであり、これは、欧米の国々と比べましても最も素早い対応ということでございますので、そういう面においても、もっと早くやれとか、もっと進めろというご意見もあろうかと思いますが、不作為ということには当たらないのではないかと思っております。

(記者)これまでも、裁判などを通して石原さんは、環境省はもっとやるべきだということを言われているわけですが、308万票でそれを持ってこられると、今までとは少し違うのではないでしょうか。
(大臣)そうですね、私も十分承知をしておらず新聞報道だけですが、今回の選挙の訴えの一つとして、国との対立というようなことを打ち出しておられました。そういう中で、かねてからこうした大気環境改善の問題に取り組んでおられ、国との対立という選挙キャンペーンの中の位置付けとして、それが強く打ち出されたのかなという思いがしております。また、元環境庁長官、環境行政の大先輩でもいらっしゃいます。我々としても大気環境の改善ということは重要な問題だと思っておりますし、そういうご発言もございますので、既定方針に添って、しっかりとこれを進めていきたいと思っております。

(記者)ディーゼルトラックを持つ事業者からは、規制が二段階になっていて非常にわかりづらいということで、今周知徹底されているのでしょうが、いったんDPFで対応したら、今度はNOx・PM法で車種規制がかかって、DPFは着けたけどNOx法に対応していないから、本当に使えなくなるということもあり得るという、その辺の整合性をとっていくため、石原さんは環境庁長官でもあったのですから、環境省も東京都と連帯して都市部のことを考えていく、というお考えはあるのでしょうか。
(大臣)NOx・PM法の猶予期間をおいているということも関係者との協議の中で、しかも最終的にはきちんと基準がクリアできるという、両方の議論の中で決まったことであり、私としてはこれを整理できたと思っております。したがいまして、環境省としてはそれをやっていく、また東京都として条例でさらにおやりになるということは、東京都としての判断だと思います。環境省としては、NOx・PM法を円滑に実施に移していくことが大切なことではないかと認識しております。

(記者)話は変わり、東京電力の原発ですが、17基すべて止まるということで、止まったということを受けて、どのようにお考えでしょうか。
(大臣)環境省との関わりで言えば、温暖化対策の問題になると思います。これについては、エネルギー長期需給見通しの3割増が、大綱の一つの前提になっております。その発電が止まったということでありますが、原子力保安院等で努力されております。環境省の立場としては、そうした既定の見通しのとおりこれを実現してもらいたい、今の段階では、資源エネルギー庁に計画通りに進めてもらいたいということを申し上げたいと思っております。

(記者)計画通りということは、増設ということですか。
(大臣)はい。

(記者)茨城県の井戸の地下水から砒素が検出されて、それが旧日本軍のものだったいうことが昨日今日で報道されていますが、環境省は、この前の神奈川県の寒川町の件では関連してきたと思いますが、今回の茨城県のケースではどうなのでしょうか。
(大臣)さがみ縦貫道路の関係について、内閣官房から指示があり関係省庁の連絡会議が設置され、環境省もその周辺の水、土壌、空気などといったものの調査をするということになっております。さがみ縦貫道路の場合は、瓶に入っていた現物が出てきたわけで、今回の茨城県の場合はそうではなく、井戸の中の水に砒素があるということで、多少違いますが、共通性はあるので、内閣官房からこの問題も扱えというご指示があれば、当然我が省としてもそれを受けて、同様にいろいろな調査をしたいと思っております。

(記者)現在のところはどうでしょうか。
(大臣)まだ、内閣官房から指示はありません。

(記者)それは、すでにある連絡会議内で、そこに含めてということですか。
(大臣)その枠の中でということです。

(記者)環境省から自発的に調査をするということはないのですか。
(大臣)一つの流れとして、それは広い意味では、内閣官房の指示の下にあるわけですから、指示があれば、その中で対応したいと思います。

(記者)指示はあるという見通しですか。
(大臣)そう思っております。


(了)