環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年9月13日)

(大臣)昨日埼玉県に行ってきました。土屋知事は環境問題に関して非常に努力しておられます。青森・岩手県境の不法投棄問題はきちっと解決していかなければなりませんが、ごみの排出元の首都圏の各県や警察当局との協力もしなければなりません。まだ、土屋知事は、広域のごみ処理場を県でつくっておられますが、その環境境整備センターの状況を見させていただきました。
 埼玉県くぬぎ山は自然再生の事業地ですが、3、4年前比べ、大分きれいになりました。ごみ処理場の役目が終わり、閉鎖するとなると有害物質が流れたりすることもありますので、きちっとしていただきたいと思います。
 自然再生、森林再生というのはなかなか難しいです。木材産業としての林業の採算がなかなかあわないので、山の手入れもできないし、林業の外材との競争もありますから、なかなか林業として成り立ちにくいということです。環境保全の意味からも、日本の山林が十分に保全されないままでは困りますから、今後、農林水産省とも相談していきたいと思います。ヨハネスブルグ・サミットでも世界的に森林、緑の保全というのが必要な大きな課題とされたので、国内でもしっかりやっていこうと思います。 青森・岩手県境の不法投棄問題については、現地でいろいろと検討会が行われていますので、ある程度進行しています。平成15年度の予算の中にも関係の費用を確保するよう努力していきたいと思います。

(質問)土屋知事とのやりとりの中で、青森・岩手県境の不法投棄問題に関して、埼玉県としての責任についての話はありましたか。
(大臣)土屋知事は、青森県知事、岩手県知事に電話を掛けられ、ごみの問題について、自分たちの県がご迷惑をかけてしまい申し訳ないということを言われたそうです。排出者とごみ処理事業者の責任体制という、これからの問題が大切です。責任体制がはっきりするように、排出処理業者がきちっと処理したということが確認できるような体制を作りたいと思います。過去にも戻らなければならない問題ですので、誰が悪いんだという議論だけではなく、環境省としても資金的な援助措置も考えると言うことで、予算要求にも盛り込んでいます。これから財務当局とも話を進めていきたいと思っています。

(質問)排出元の自治体や業者に復旧費を負担させるということはありますか。
(大臣)経済界のいろいろな活動の結果によって、ごみが出てきているというのものがあるので、それについての協力をしてくれということで、資金を集めていますが、なかなか足りません。資金の集め方は、産業界全体の問題としてということでやっています。
(官房長)都道府県に原状回復費を負担させるということは考えていません。ただいろいろな意味での協力はしていただかなければなりません。

(質問)不法投棄をした業者が、青森県と埼玉県によってそれぞれが許可したということで、責任が青森県、埼玉県にあるのではないかと言われていますが、その辺の話はありましたか。
(大臣)埼玉県知事とはその辺の細かい話はしていません。青森県についてはある程度摘発し、そのための責任という話もしているようです。業者の中にも、原因を作った人がいなくなっていたり、会社が潰れてしまったりというのもありますが、責任追及はしているようです。
(官房長)自治体が妥当でない許可をしたかどうかという話だと思います。基準にのっとって県が許可をしているのですが、その後、業者が悪いことをしてしまったということです。自治体に費用負担を求めることについては、難しい状況だと思います。
(大臣)誰が責任を持つかということになるのは、法令の整備が十分でない面があると私は思います。

(質問)許可を与えた後の行動チェックなど、許可を与えた後の法令が十分でないということですか。
(大臣)国や県、市町村、団体など、どこが責任を持って処理するかということですが、現地で違法行為が重なると、許可のところだけでは解決することは難しいと思います。産業廃棄物に関しての責任を持っているのは、基本的には県なのですが、都道府県の能力を超える事態が起こった場合、行政の立場から言うと、法令がきちっと決まっていなかったということになります。一番の目的は防止をするということですが、急に防止をするというのは難しいし、過去にあったものの後始末もしなければなりませんので、そういった事を含め、今までの法令でいいのかどうかの検討はしなければなりません。

(質問)来年の廃掃法改正の見直しでの対応は考えていますか。
(大臣)全般としては、どういった法令の改正が必要かということや、予算措置の問題などもありますので、目下検討中です。

(質問)タマちゃんに関してはどうですか。
(大臣)野生は野生のまま自由に泳げればいいと思うのですが、今のところ役所が出ていく状況ではないと思います。

(質問)タマちゃんを保護した方がいいのではないかという意見も出ていますが、大臣としてはどう考えていますか。
(大臣)野生の動物ですから、それをどこまで保護するかという問題ですが、保護したら途中でやめるわけにはいきませんので、なるべくのびのびとさせておきたいと思います。
           (了)