環境省お知らせ記者会見大臣発言要旨


記者会見大臣発言要旨(平成14年7月26日)

(大臣)本日の閣議では、構造改革特区推進本部の設置を決定し、第一回の会議を行いました。いろいろな考え方があると思いますが、小泉総理としては、地方公共団体と民間の知恵や要望を吸収し、特区という形で必要なことができないかということをおっしゃっていました。竹中大臣と石原大臣が構造改革特区推進本部の副本部長で、各大臣がメンバーです。7月中に地方公共団体に対する説明を行い、8月末までに地方公共団体からの提案を受け付け、その上で政府としての方針を検討していくと思います。
 30日に正式に閣議決定いたしますが、環境省の局長人事があります。自然環境局長の小林光氏の勇退を認め、後任に総合環境政策局環境保健部長の岩尾總一郎氏を任命する方針を内定しました。小林光氏はレンジャー出身初めての局長として、生物多様性国家戦略のとりまとめや自然公園法、鳥獣保護法の改正の指揮などで活躍していただきました。新任の岩尾總一郎氏は、医者であり、自然環境局が直面している遺伝子改変生物の利用政策などを含め、活躍を期待したいと思います。

(質問)NGOのヨハネスブルグ・サミット代表団参加についての進捗状況はどうなっていますか。
(大臣)NGOも何らかの形で代表団に入れるという方向で進めていますが、どの団体を入れるかということは検討中です。

(質問)NGOのヨハネスブルグ・サミット代表団参加について、判断基準や決定過程に透明性が欠けているという批判もあるようですが。
(大臣)いろいろな意見はあるようですが、国際会議での代表団に入ってやっていくに適切な団体、個人ということです。今のところそういった団体について広く対象にして検討しているところです。

(質問)青森県と岩手県の県境での産業廃棄物問題について現場を視察するつもりはありますか。
(大臣)先日自然公園大会で青森県の十和田湖まで行きましたが、県境まで行く時間がありませんでした。しかし8月早々に行きたいと思っています。両県からしかるべき方に来ていただいて、現場をしっかり視察させていただきたいと思っています。豊島をこえる量の不法投棄であり、できるだけ早く視察し、対応を検討していきたいと思っています。基本的には排出者責任をきちっとしなければなりません。現場での視察、検討をしっかりして、排出者責任をどこまで徹底できるかを考えたいと思っています。

(質問)具体的な日程は。
(大臣)8月1日あたりに視察できないかということで、現地と調整中です。

(質問)ヨハネスブルグ・サミットにブッシュ大統領が欠席するという方向ですが。
(大臣)ブッシュ大統領が欠席するとしたら残念です。最終決定でないにしてもいろいろな情報も出てきますので、出席されないことも考えますが、ブッシュ大統領が出席されても欠席されても総理には出席していただきたいということは申し上げております。

(質問)今後日本政府として、ブッシュ大統領出席への働きかけはありますか。
(大臣)今後あらゆるところでヨハネスブルグ・サミットへ向けての準備が行われますので、コンタクトはしたいと思っています。

(質問)ブッシュ大統領の欠席は、会議自体にどのような影響がありますか。
(大臣)先日パウエル国務長官の演説では、地球環境問題、アフリカ問題などについて、関心を持って取り組んでいくということを言っています。ヨハネスブルグ・サミット出席とは別に必要あることは進めていくということでしょう。
 バリの準備会合では文書をまとめきれませんでしたが、大きな流れはできてきています。先日のG8の会議で、南アフリカ大統領を含めたアフリカの首脳を招いてヨハネスブルグ・サミット成功に向けての話もしましたので、アフリカ問題についての政治的姿は整っていると思います。ブッシュ大統領の出席はわかりませんが、大統領の出席が決まっている国もいくつかあります。フランスは、大統領と環境大臣の行く日程まで決まっているようです。ヨーロッパの国々はほとんど出席するという姿勢を示していますし、途上国で出席するという国も増えつつあるようなので、私としては、是非小泉総理に出席していただくことが大事だと思っています。

(質問)小泉総理の日程はいつ頃決まるのですか。
(大臣)今のところは小泉総理が出席するという前提で準備を進めています。日本からは政府、地方公共団体、民間などからたくさんの方々が来ると思いますが、ただ大きいだけの会議ではなく、中身のある会議にしたいと思っています。
 貿易、資金供与の話が正面に出てきていましたが、モントレー、ドーハで先進国側が前向きな姿勢を示し、途上国側がこれに理解を示したという流れになっています。ヨハネスブルグ・サミットはアフリカで開かれますし、アフリカ問題も一つのテーマですが、日本としてはアジア諸国との関係が大事だと思いますので、具体的なことを含めて準備をしていきたいと思っています。アジア諸国の2国間の協力、地域間協力などいろいろありうるので、ヨハネスブルグ・サミットまでに詰めれる問題は進めていきたいと思っていますし、その上でどう発展させるかという議論はできますので、材料は整えたいと思っています。 京都議定書の温暖化会議COP8が10月にインドでありますので、COP8のことも意識して、ヨハネスブルグ・サミットに行ったときに意見交換をしていきたいと思っています。

(質問)アジア諸国との協力というのは貿易、資金面ですか、それとも環境面のことですか。
(大臣)私は環境面での協力を考えています。

(質問)アジア森林パートナーシップは広がりそうですか。
(大臣)森林は各国それぞれが抱えている問題です。先日環境大臣が来日したモンゴルは、森林というより砂漠化の問題ですが、根っこが一緒の問題もいろいろありますので、そういった問題をどこまで広げるかということもあります。アジアということでは、インドネシアなどの東南アジアに頑張っていただきたいと思っています。
 アジア全体のことですが、東南アジアでやれる問題、朝鮮半島から中国大陸周辺の問題など、例えば黄砂の問題については日中韓で話していますし、モンゴルでは砂漠化現象が非常に進んでいます、そういった各問題ごとに詰めていった方がいいと思います。
 ヨハネスブルグ・サミットでは、各国の開発問題や貧困解消などたくさんの議題がありますが、広い意味での環境問題はきちっと議論した方がいいという流れになってきています。きちっとした準備をヨハネスブルグ・サミットに向けてしていきたいと思っています。

(質問)COP8には大臣は出席されますか。
(大臣)出席するということを前提に、準備はしていきたいと思っていますが、きちっとは決まっていません。
(官房長)COP8の日程は10月23日から11月1日までですが、臨時国会中であれば、国会のご了承を得てということになると思います。

(質問)COP8では、何が課題になりますか。
(大臣)一つは京都議定書の発効に向けて、各国の京都議定書の批准を働きかけるということ、もう一つは途上国への温室効果ガスの削減についての努力をどういった形で進めていくかということも課題になると思います。
         (了)