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記者会見大臣発言要旨(平成14年2月22日)

(大臣)本日の閣議は一般案件で、条約あるいは外交上の公文の交換など9件がありました。うち3件が環境省関連です。1件目はオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(締約国の第9回会合において採択されたもの)の受託について国会の承認を求める件です。2件目はオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受託について国会の承認を求める件です。3件目は残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の締結について国会の承認を求める件です。これはいわゆるPOPs条約と呼んでおります条約です。それぞれ国会できちんと承認していただき、政府として発効に向けての作業を進めていきたいと思います。それから政令が2件ありました。いずれも環境省関係です。一件目は自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令です。2件目は、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令です。いずれも、前通常国会で改正された自動車NOx・PM法を施行するための政令で、今後も同法施行のための政令改正等が出てくる予定です。
 京都議定書の批准に向けての現況についてお話します。環境省としては、今国会における京都議定書の承認と関連国内法案の通過について、速やかに進めてまいりたいと思っております。先日も、政府として地球温暖化対策推進本部を開催いたしました。また、環境省の地球温暖化対策本部もございますので、それぞれにおいて、必要な準備を進めていきたいと思っております。
 ヨハネスブルグ・サミットの準備についても、環境省として総力を挙げて進めていきたいと思っております。私からもお話しますが、事務方の担当部局からも随時、説明しますのでよろしくお願いいたします。環境省としては、ヨハネスブルグ・サミットに向けて、国民の皆様のそれぞれの立場からのご意見を伺い、共に考えていきたいと思っております。そこで、先月末からニューヨークで行われたヨハネスブルグ・サミットの第2回準備会合において提示されました「議長ペーパー」に対する国民の皆様のご意見を募集することにいたしました。詳しくは後ほどペーパーでお知らせするとともに、環境省のホームページにおいても募集いたします。頂いたご意見については、政府のコメントを作成する際に参考とさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ヨハネスブルグ・サミットの件に限らず、先日も新宿御苑で「環の国くらし会議」を開き、環境問題に関するいろいろな立場の方のご意見を伺っております。
 先日も申しましたが、ヨハネスブルグ・サミットにおける議題は、必ずしも地球温暖化問題だけではありません。リオ・サミットから10年ということで、その間のどういう問題が議題に上がってくるかということです。今までは環境と経済の共存ということを議論してきましたが、これからは環境と社会と申しますか、あらゆる人間の生活が環境と係わっているということを考えていく必要があるのではないでしょうか。社会の中には途上国の貧困という問題も含まれています。貧困をなくすためには、ただお金があればいいというのではなく、教育も必要でしょう。このようにいろいろな事について考えていくことになると思います。環境省としても、ヨハネスブルグ・サミットについてのPRをしていきたいと思います。
 それから、先日、米国が提示した気候変動政策の件ですが、具体的なものが提示されたことは意義があると思います。しかし、日本政府としては、京都議定書の日本としての承認と世界全体としての発効に向けて努力を続けていくという立場です。その努力は引き続き続けていきたいと思っています。今日も、自民党の地球環境問題特別委員会に出席し、党としても京都議定書の発効に向けて協力していただくようお願いしてまいりました。


(質問)ヨハネスブルグ・サミットまであと半年になりましたが、具体的な議題がなかなか見えてきません。具体的な議題がないとリオ・サミットのような成果を上げられないのではないかという懸念が出ていますが、どうお考えですか。
(大臣)最終的なものは出ていませんが、このところ大分動いていると思います。先程申しましたように議長ペーパーも出ています。また、コミットメント・ペーパーというアイデアが出ています。これは、各国が、自分はこういうことができるというものをペーパーにして、ヨハネスブルグ・サミットに持ち寄るというものです。政府だけでなく地方自治体でも企業でも、どんな団体でも参加できるので、日本の方々もいろいろな立場で出していただければ良いと思います。政府だけでなく全国民的に声を出していただければと思います。

(質問)議長ペーパーに対する意見はあらためて募集するのでしょうか。
(大臣)まずは、先程申しました議長ペーパーについて意見募集いたします。コミットメントペーパーについても後ほど事務方から説明するようにいたします。

(質問)先日、東京都が独自の地球温暖化対策案を発表しました。大きなところでは、国内排出量取引制度の市場の実施と、その前提になる企業のCO2排出量の把握・公表の義務などがあります。この案が、現在進められている地球温暖化関連の国内法の整備に多少影響するのでしょうか。
(大臣)一般論ですが、地方自治体独自でその地域の特性に応じた独自の対策を行うことは効果があるということもあり得ると思います。ただ、ものによるのではないでしょうか。東京都だけでやると他の県では、影響があることも出てくるでしょう。事業所などは、東京都だけでやるということも理屈としては考えられますが、例えば、交通関係などは、
他の県も関係するので東京都だけでとはなかなかいかないことも考えられます。

(質問)東京都が独自の案を発表したことには、都独自でやるという意味のほかに、国としても積極的な政策を提示して欲しいというメッセージもあるのではないでしょうか。
(大臣)先日、ブッシュ米大統領が来日した際、石原東京都知事とお会いする機会がありました。東京都もいろいろな事をやりますから環境省も一緒にやりましょうと言っておられました。

(質問)排出量取引の件についてはいかがお考えですか。
(大臣)米国の州においてSOxについて行っている事例がありますので、やれないことはないと思います。いずれにしても勉強中です。

(質問)東京都の案では、企業のCO2排出量の把握と報告について4月から導入し、6月までに報告させることになっています。政府の地球温暖化対策推進法の改正案では、企業の報告は自主的に行うことになっています。東京都が先行した形になっていますが。
(大臣)日本全国で行うとなると負担という問題も出てくるかもしれません。
 この問題も含め京都議定書やヨハネスブルグ・サミットなどについても、私だけでなく事務方からも皆さんに説明する機会をどんどん作っていきたいと考えています。

(質問)カナダが京都議定書に参加しないという報道がありますが、その情報はございますか。
(大臣)カナダの州政府が言っているという情報は来ています。カナダの州政府も米国と同様に州政府の独立性が強い国ですから。ただ、中央政府は今までも京都議定書批准に向けて準備すると言っています。それが変わったということは聞いていません。


(了)