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記者会見大臣発言要旨(平成13年11月16日)

(大臣)一般案件として、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の受諾についての決定がありました。
 政令で環境省関連が2件ありました。
 1件目に、ダイオキシン類対策特別措置法施行令の一部を改正する政令の決定がなされました。内容はダイオキシン類による水質の汚濁を防止するため、設置の際等に届出を義務付けているダイオキシン類を含む汚水又は廃液を排出する特定施設に、硫酸カリウムの製造の用に供する施設のうち廃ガス洗浄施設等を追加するものです。
 2件目に、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令の一部を改正する政令の決定がなされました。これは経済産業省との共管で、先ほど申し上げたダイオキシン類対策特別措置法施行令の一部を改正する政令に伴いまして、公害防止管理者等の設置を義務付けている特定工場のうちダイオキシン類発生施設に先ほどの廃ガス洗浄施設等を追加するものです。
 武部農林水産大臣と、平沼経済産業大臣からそれぞれ、WTOドーハ閣僚会議への出席についてのご発言がありました。
 農林水産分野では、WTO農業交渉日本提案の内容を、今後の農業交渉において主張しうる枠組みの確保、そして地球規模の環境問題及び有限天然資源の持続的利用を踏まえた議論等が可能となるような交渉の枠組みの確保といった我が国の基本的立場が確保されるよう交渉されたとのことです。
 経済産業分野では、すでに報道されているようにアンチダンピングの規律強化交渉、さらには投資・競争ルール策定に向けた交渉準備作業の開始を内容とするなど、21世紀の諸課題にも呼応した幅広いアジェンダが盛り込まれ、また、中国・台湾の加盟が承認されたとのことです。


(質問)温暖化の関連で経団連にCOP7の報告をされたようですが、その際に経団連からの要請または、川口大臣の方から経団連へ協力の要請などをなされたのでしょうか。
(大臣)COP7への出張の報告をし、どういう結論になったかということを申し上げました。また帰国翌日の12日に地球温暖化対策推進本部を開いて、京都議定書締結に向けた国内対策も含め、準備を本格化する旨の決定をしたことを申し上げました。
 今井経団連会長からは、要望書等でこれまで経団連がおっしゃっていることと同じお話がありました。 
 また、環境省に地球温暖化防止国民生活推進室を設置します。
 これは、先日の政府の地球温暖化対策推進本部において、京都議定書の目標達成には、国民一人ひとりが地球温暖化防止に向けて自らのライフスタイルを変革することが不可欠であり、このために政府及び国民各層が一丸となって取り組んでいくことが必要なので、国民の理解と行動が求められる旨の決定がなされたことを受け、昨日夕方、環境省の地球温暖化対策推進本部を開催し、国民一人ひとりの地球温暖化防止に関する理解を深め、行動を促すための取組を強化することとし、地球温暖化防止国民生活推進室を設置することを決定したものです。
 地球温暖化防止国民生活推進室では、国民のライフスタイルの変革を促すために国民、企業、NGO、地方公共団体など幅広い主体とのパートナーシップを密にしながら、制度や仕組み、組織、事業などについて新しい施策のアイデアを生み出し、実施していきたいと考えております。
 なお、地球温暖化防止国民生活推進室長には、炭谷地球環境局長をあて、室員は今後、事務次官より指名することといたします。また、地球温暖化防止国民生活推進室は来週早々には発足させたいと考えております。

(質問)地球温暖化防止国民生活推進室はいつまでに、どのような成果をあげるといったような目標を持っているのでしょうか。
(大臣)いつまでにどうというような限定的なものではなく、一連の国内制度の構築、整備における作業の一環とし、他省庁とも連携しながら、国民一人ひとりの地球温暖化防止に関する取組を進めていただくための政策を考えていきます。

(質問)地球温暖化防止国民生活推進室の室員は今後決まっていくとのことですが、どのくらいの規模になり、また室員は専任ということになるのでしょうか。
(官房長)ただ今、大臣官房で地球環境局とも相談しつつ、具体的な人選等を進めております。専任、併任については、出来る限り併任だけで頭数をそろえるようなことはせず、中核となるような専任者を配置して、実質的かつ主導的に動けるようにしていきたいと考えております。また、来週早々の設置ということで、遅くとも火曜日には立ち上げをしたいと考えております。
(大臣)国民一人ひとりの地球温暖化防止に関する取組を実際に行っていただくのは非常に難しいことです。たとえば、私が自分自身の更なる取組として具体的に何を行うか、何が可能かを考えることは難しいことだと思います。今後100年間で社会の環境に関する考え方が大きく変わっていくことになるだろうことを考えますと、革新的な考え方ができ、かつ、様々なアイデアが出せる人の集まりになることが望ましいと思います。また、アイデアを出すことは役所だけで行うのではなく、地球温暖化防止についての取組を現に行っている方ともパートナーシップを組みながら考えていくことも必要ですから、そのような形でも機能していけるように考えております。

(質問)地球温暖化防止国民生活推進室の仕事は国民一人ひとりの地球温暖化防止に関する取組を促進するようなアイデアを出すということでしょうか。
(大臣)そのようなアイデアを出すこともあるでしょうし、関係省庁と連携し、または独自にそのアイデアを実施していくこともあると思います。また、そのアイデアを実践するために社会のルールを作っていくこともあると思います。国民一人ひとりの地球温暖化防止に関する理解を深め、行動を促すための取組を強化するという目的を果たすために必要なことを為すということであり、これはやっていい、これはやってはいけないというような制限をしていくことは考えていません。今後の100年間を視野に入れて、国民生活において何を変わらせ得るか、どういう革新的な知恵があり、どのように実践していくか、実践に当たってはどのような連携を図っていくかなど、いろいろやることはあると思います。

(質問)地球温暖化対策推進法の改正などに、地球温暖化防止国民生活推進室で出てきたアイデアが盛り込まれるといったことはありますか。
(大臣)十分にあり得ると思います。法案がどのようなものになるか分かりませんし、出てきたアイデアがどの程度具体的なものになるかにもよりますが、何らかの形で法律改正案に盛り込まれることもありうると思います。しかし重要なことは、法律改正のような制度上のことではなく、各地域における取組のような実際の動きと連携して考えていくことや、実際に行われるようになることが必要だということです。ですから、地球温暖化防止国民生活推進室には自由に発想してもらいたいと思います。

(質問)地球温暖化防止国民生活推進室の人員数に関しては検討中ということでよろしいですか。
(大臣)検討中です。環境省は限られた人員の中で多くの課題に取り組んでいることもありますが、地球温暖化防止国民生活推進室の仕事は非常に重要なものですので、出来るだけ工夫をし、通常の室程度の規模にはしていきたいと考えています。

(質問)組織的な質問ですが、室は課の下にあると思うのですが、地球温暖化防止国民生活推進室長には、地球環境局長をあてるということで、その関係はどのようになるのでしょうか。
(大臣)地球温暖化防止国民生活推進室は地球環境局の一部でありますが、地球温暖化対策の基盤に関わる重要な業務を行うこと、また、省内から広く人材を集める必要があることからも、地球環境局長を室長にあてることが適当であると考えております。


(了)