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記者会見大臣発言要旨(平成13年11月13日)

(大臣)本日の閣議では環境省関係はほとんどありませんでした。国会提出案件で川田悦子衆議院議員提出の狂牛病全頭検査にあたり情報公開のあり方と今後の信頼回復のための措置等に関する質問に対する答弁書がございました。これは厚生労働省と農林水産省の担当ですが、表には出ませんが環境省からも一部メモを出しました。他に法律4件、政令4件等ございましたが、いずれも環境省には関係ございません。
 私からは、今回の気候変動枠組条約第7回締約国会議(COP7)出席についてご報告いたしました。


(質問)京都議定書の批准についてですが、昨日の官邸での記者会見でおっしゃっていたように、日本は批准ではなく、締結し、その上で受諾するということでよろしいのでしょうか。
(大臣)締結の様式はいろいろありますが、通常、日本は受諾を選択しています。
ただし、日本が受諾の様式をとるかどうかはまだ決まっていません。

(質問)実質的には批准と同じということですか。
(大臣)締結の1つの形が批准であり、1つの形が受諾であるということです。効果は同じです。

(質問)締結の時期ですが、どの辺のタイミングでとお考えでしょうか。
(大臣)昨日の地球温暖化対策推進本部で決定したとおり、次期通常国会に向けて、京都議定書締結の承認及び京都議定書の締結に必要な国内制度の整備・構築のための準備を本格化するということです。そこからご類推下さい。

(質問)常識的に考えると、地球温暖化防止推進法の改正が国会を通過したあたりが1つのタイミングかと思われますが。
(大臣)法律を通した上で、後は締結に関する国会での承認が必要です。

(質問)準備をした結果やらないという可能性はありますか。
(大臣)国際的な常識というものがあります。それだけの準備をして、準備が終了すれば、中味についての合意があるわけですから、次の段階へというのが国際的な、また一般的な考え方だと思います。

(質問)他の国の状況はどうでしょうか。EUは6月半ばに批准すると言っていますが、アンブレラグループの米国以外の国はほとんど批准するということでしょうか。
(大臣)それはわかりません。EUは欧州委員会として各国に批准の提案をしているという状況です。それをEU環境大臣会合で合意することになりますが、まだその合意があったとは聞いていません。それからカナダは、州政府との話し合いがあり、州政府からカナダ政府に対し、経済に悪い影響がないかどうか調べて報告せよという話があったという状況です。ニュージーランドは、COP7の場では運用ルールの一部について、このままでは締結できないというような話がありました。それについては議長が別に整理すると聞いています。これから各国いろいろあると思いますが、10日、2週間と経つうちに解ってくると思います。はっきり批准をすると言っているのはノルウェーとアイスランドだけです。ロシアはCOP7の合意をコンセンサスを受け入れたわけですから、締結すると思っていますが、いつごろとかそういうことは聞いていません。

(質問)オーストラリアは、京都議定書に慎重な現状政権が選挙に勝ったようですが、批准は難しいでしょうか。
(大臣)オーストラリアは代表が来ていましたが、批准については表だっては何も言えないということで、何も言っていませんでした。

(質問)ノルウェーとアイスランドは批准をするとおっしゃいましたが、日本の形とは違うということでしょうか。。
(大臣)解りやすいので批准という言葉を使っていますが、各国がどういう形で締結するかはわかりません。どの形式をとるかはあまり重要なことではありません。ニュージーランドは前は批准すると言っていたのですが、今回、同意案の段階で、シンク部分で問題があると言っていました。3条3項の報告の話ですが、バンキングに上限が付けられたこと、クレジットを他国に売ることについて制約があるのはおかしいと言っています。

(質問)日本が締結作業をするにあたり、何か障害が生じてくる可能性があるとお考えでしょうか。
(大臣)産業界の方が、経済が空洞化するのではないかとか、国際競争力に影響があるのではないかなど様々なご意見があります。確かに、今日本の経済の状況が悪い状況にあることは承知していますが、その中で更に一歩進んでいくための意味合いなどについて理解をしていただくということが非常に大事だと思っています。しかし、それが障害となって準備の過程が遅れるとは思っていません。

(質問)経済団体連合会とCOP7についての意見交換は行われるのでしょうか。
(大臣)今、申し込んでいます。日程を調整中です。

(質問)準備は遅れるとは思わないとおっしゃいましたが、中央環境審議会で検討中の国内排出量取引や環境税などの議題について経団連はことごとく反対しています。そういう中で準備を進めるのは大丈夫なのでしょうか。
(大臣)昨日、国会での答弁でも、官邸での会見でも申し上げましたが、環境税や排出量取引などは締結に必要な前提とは考えていません。マーケットメカニズムを活用して温暖化防止をより効率的にできるということでは良い制度だと思っています。それから国際的排出量取引は京都議定書に位置づけられていますし、国内についてもたとえばEUは提案しています。米国でも自主的にやろうという動きはある訳です。現在の日本の経済の状況から、経済界に反対があることは承知していますが、それがなければスタートできないという前提としては考えていません。それらがあれば、より効率的に目標を達成できる可能性がありますので、より慎重に検討していきたいと思っています。

(質問)先程、経団連に申し込んでいるとおっしゃっていましたが、それは何について話すということですか。
(大臣)今までCOP6やCOP6再開会合などに行った際、必ず経団連とお話をしていますので、今回もCOP7の報告をしましょうということです。日程調整中ということです。


(了)