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記者会見大臣発言要旨(平成13年10月19日)

(大臣)アフガニスタン難民に係る物資協力の実施について、福田内閣官房長官、田中外務大臣から今回の一連のテロに対し、国際社会の一員として迅速な対応をとる旨の御発言がありました。具体的には先般、無償で譲渡したテント315張等に加え、パキスタンにおけるアフガニスタン難民に対する国際難民高等弁務官事務所の人道的な国際救援活動に対し、国際平和協力法に基づき、追加的にテント500張を無償で譲渡するものです。
 職員の給与に関する法律が4件閣議決定されました。
 小泉内閣総理大臣が20日から22日までAPECでご出張なさいまして、代理は福田内閣官房長官がお務めになります。
 片山総務大臣から、補助金等に関する行政評価・監視の結果についてのお話がありました。その内容は、補助金の効率的な使用を図るため、採択に当たって厳正な審査を行うこと及び目的の達成状況や効果について事後評価することが重要である、その観点から国民の利用に広く供する宿泊施設など、利用料金等を徴収する施設の整備に対して交付される補助金のうち、交付件数が多い5省10目の補助金について、採択審査の実施状況、補助対象施設の利用状況、補助事業の事後評価の実施状況を調査する、次の3点について勧告を行う、1点目は補助事業の採択において、施設の利用見込みを審査する仕組みを整備し、的確な利用見込みに基づく厳正な採択審査を実施すること、2点目は施設の利用状況を定期的に報告する仕組みを整備し、適切な利用が図られるよう補助事業者指導すること、3点目は補助事業の事後評価を実施し、またその結果を公表する仕組みを整備することです。これに伴い、各大臣には、所管の補助金について、勧告の趣旨に沿った運営が確保されるよう御尽力をお願いするとのことでした。なお、環境省は、キャンプ場の整備等を対象とした自然公園等の整備費補助金があります。
 遠山文部科学大臣から、10月14日から18日までの間、ユネスコ総会に出席され、その中で、テロリズムとその原因の根絶のためユネスコとして取り組む決意を表明するよう強く提案したというお話がありました。
 閣僚懇談会で武部農林水産大臣から、18日からは安全な肉だけが出荷されるような整備を立ち上げたとのお話がありました。
 石原行政改革担当大臣から、特殊法人等整理合理化計画の年内策定に向け、詰めの段階に来ているが、特殊法人を適切に見直していくためには、必要な情報について法人を所管する各府省から提出していただくことが不可欠であるので、各大臣には情報の提供・開示につきご協力をお願いしたいというお話がありました。併せて小泉内閣総理大臣からこれまで以上に情報の提供・開示を行うとともに精力的に取り組んで欲しい旨の御発言がありました。


(質問)補助金の勧告については全省庁を対象に行われ、その中で環境省には自然公園等の整備費の補助金についての勧告が行われたということでしょうか。
(大臣)勧告の対象は5省10目について行われました。その5省10目について前に述べたような仕組みを整備して欲しいということでした。

(質問)自然公園の整備についての勧告はどのようなものなのでしょうか。
(自然環境整備課長)キャンプ場の整備を行う都道府県に対し、自然公園整備として補助金を交付することがあるのですが、補助金の申請があった際に厳正な審査を行い安易な補助を行うことがないようにするということです。具体的には、将来的にキャンプ場等の利用状況が当初の見込みを下回ることになりますと、過剰な整備であったということになる可能性もありますので、補助事業の採択に当たっては厳正な審査を行い、整備後、利用状況を把握する等のフォローも適切に行っていただきたいとの勧告であります。

(質問)今回の勧告は総務省が補助金に関する調査を行った結果、何らかの問題が生じていることが認識されてのことということでしょうか。
(自然環境整備課長)補助金行政に関して不十分な点があったということです。
(大臣)5省10目に関しての調査を行いまして、総合的に勧告を行ったということです。

(質問)現実問題として、環境省として自然公園等の整備についての補助金に対して何らかの問題があったとお考えですか。
(大臣)補助金を出す合理性の基準がどこにあるかだと思います。自然公園等の整備に対する補助金は普通地方公共団体が整備する事業に対して行われる性格のものです。国立公園や国定公園の中にある施設に対して補助金の支出を行うことになるのですが、これらの施設が必ずしも、経済合理性に乗っ取り、十分ペイするかという運営を行うことが可能かという観点があると思います。しかし、今回の勧告がなされましたので、当勧告を厳粛に受け止め、改善すべき点は対策を打っていく必要があると思います。国民の皆様から預かっている税金を地方公共団体に回すのですから、使い方には十分注意を払っていく必要があると思います。

(質問)COP7の開催についてですが、炭そ菌のテロが拡大を見せている状況で、開催して大丈夫か日本政府から事務局に対し懸念を伝えてもおかしくない状況だと思います。いかがでしょうか。
(大臣)特にそういうことを伝えることは考えていません。これは非常に不確定な話でして、どういう展開を見せていくかは常に慎重に見守りながら考えていかないといけないとは思っています。しかし、今の段階で、マラケシュでCOP7を開催することを延期したらいいとか、中止したらいいとか申し上げるつもりはありません。先日開催したエコアジア2001の会議でも、何人かの各国閣僚とお話をしましたが、皆さん、出席についてはカレンダーには載せてあるという言い方でした。非常に慎重に考えておられることは窺えましたが、実際に参加という意味でどういう形になるかは、その時になってみないとわかりません。開催についてどうするかと言っている国もあるようですが、今の段階で事務局が延期等をすべきだという判断は一切していません。スケジュールどおりやるということだと思います。

(質問)事務局に開催を延期して欲しいなどと言っている国があるというような情報はございますか。
(大臣)あります。

(質問)どの辺の国からでしょうか。
(大臣)中米の国と聞いています。

(質問)プロンク議長からは開催の延期等についての話しなど連絡は来ていませんか。
(大臣)特に開催の問題については私のところにはありません。

(質問)環境省へも来ていませんか。
(大臣)開催について相談が来たと言うことはありません。事務局に対し、開催の延期等についての話があったという情報は来ています。日本政府はどう考えるかと聞かれているわけではありません。

(質問)地球環境を考えるという平和的なセクションにおられて、炭ソ菌などの不審な物が送られてきている事件について何かご感想はございますか。
(大臣)非常に遺憾です。今の段階では炭そ菌と米国に対するテロリズムとの関連は明かにされていないわけですが、細菌を送りつけて人心を不安にさせ、本当に取り組まなければいけないことに対して、たとえば会議の出席者が少なくなるなどということがあれば、非常に残念です。

(質問)中米の国から事務局に話があった内容は、COP7の開催を延期したらどうですかという相談だったのでしょうか。
(大臣)そういうことではなく、皆さんの意見を聞いて検討したらどうかという話だったのではないでしょうか。その国が延期すべきだと言っている訳ではないと思います。

(質問)開催は来週に迫っていますが、大臣は淡々と準備されておられるのでしょうか。
(大臣)今度の会議の場でやらなければならない課題ははっきりしています。それはボンでのCOP6再開会合での政治的な合意を受けて、それをベースにテキストを作っていくということです。ボンで仕上がらなかった仕事を今度の会議で完成させるということです。閣僚レベルでの会合が会議の最後の3日間になっているということは、前半の部分で、今までずっと交渉をしてきたネゴシエーターのレベルでの会合でテキストを完成させるということです。それを閣僚レベルでの会合でエンドースするということになります。私はそういう認識でとらえています。

(質問)中米の国とはどこでしょうか。
(大臣)国の名前までは聞いていません。

(質問)ホイットマン米国環境保護庁長官が、COP7までに米国の代替案を出すつもりはないと表明したことは確認されましたか。
(大臣)そうおっしゃったことは確認しました。

(質問)それについてのコメントをお聞かせ下さい。
(大臣)前々からかなり厳しいだろうと申し上げてきました。テロ事件以降、私もそう思っていましたので、そういうことだと非常に自然に受け止めています。

(質問)この発言のCOP7への影響はあるでしょうか。           
(大臣)全くありません。米国の参加が大事という日本のポジションは変わっていません。国際的な取組が大事なので、米国の用意ができるまで最後の最後まで働きかけるということです。それは全く変わりません。私の気持ちとしては米国がCOP7までに代替案を出すのは難しいだろうと思っていましたが、今まで米国ははっきり言いませんでした。それがきちんと表明されたということです。流れに大きな影響を与えることはありません。


(了)