記者会見大臣発言要旨 (平成13年4月6日)

 本日は閣議の前に経済対策閣僚会議、政府与党緊急経済対策本部合同会議がありまして、緊急経済対策が決定しました。環境省関連はありませんでした。国会提出案件、質問趣意書が3件ありました。法律の公布が2件ありました。今後国会に提出する法律案の決定が1件ありました。中国に出張されていた高村法務大臣から報告がありました。中国で情報交換を行い、実務家や法律家による人材交流の促進について協議をされたとのことです。また、それぞれの取り組むべき施策について積極的な意見交換を行ったようです。他には、ワールドカップの準備状況が遅れているのではないかというお話や、後ほど官房長官から発表があると思いますが、総理から退陣なさるとのお話がありました。以上です。

(質問)昨夜から今朝にかけて、COP6再開会合に向けて、アメリカへの働きかけ等で何らかのアクションはありましたでしょうか。
(大臣)特にありません。現在アメリカにいます政府と与党のミッションチームが、ホイットマン環境保護庁長官に会ったということぐらいです。そのなかで、7月のボン会議前には米国政府が閣僚レベルでやっている会合の結論を出し、その前にアンブレラグループには相談をしたいという話があったようです。その他の米国側からの話は、今まで言ってきたことの繰り返しでした。国際的なプロセスを大事にすること、途上国の問題、米国の経済の問題などです。また、日本の役割は大変重要であるということでした。
(質問)日本の役割が重要というのは、米国側から何らかの具体的なアプローチがあったのですか。
(大臣)むしろ、今まで日本が地球温暖化の分野で重要な役割を果たしてきたことへの評価だと思います。今後も一般論としては、同様に重要な役割を果たして欲しいということであって、特に日本に何かをやって欲しいということではないと聞いています。
(質問)来週EUの代表団が来ますが、会談等の日程は決定したのでしょうか。
(大臣)9日の夕方を予定していますが、時間の方は現在調整中です。出席者の方は、欧州委員会の環境大臣会合の議長のスウェーデン環境大臣のラーション大臣、EUの閣僚で欧州委員会のヴァルストローム環境担当委員。この2人とはハーグでもご一緒しまして、よく存じあげております。3人目はベルギーのドゥルーズ・エネルギー及び持続可能な開発担当長官です。ベルギーは7月からEUの議長国になるので、ボン会議のEUの取りまとめはベルギーが行います。ハーグでは、フランスが行い、今年の前半はスウェーデンが行いました。コミッションと前後の議長国で構成されるEUトロイカということになります。1時間ほど意見交換する予定です。
(質問)会談に向けまして、どのような点をEUと意思確認なり意見交換なりして、どういった方向へ今後のプロセスを持っていこうと考えておられますか。
(大臣)おそらく様々な点が議論になると思います。私が述べたいと考えている点は、日本は2002年の発効を目指して、合意ができるよう全力で取り組むという方針に全く変更がないという点、米国の一連の動きを残念に思っているという点、米国の参加が地球の温暖化に対応するという意味では重要であるという点、日本も国内的にも国際的にも全力を尽くしていくという点です。また米国への働きかけという意味ではEUとの連携は非常に重要ですので、その点もやっていきたいと考えています。
(質問)米国抜きでも発効可能というEUの発言に対してはどのように思われますか。
(大臣)EUがそのようなことにつきまして、日本に対して言ってくるのかどうか分かりませんが、先日オランダの外務担当閣外大臣とのお話による印象では、EUも、米国抜きでの発効に向けすぐ動けるような状況では必ずしもなく、EUの環境大臣だけで決められるわけではないとの印象をもっています。ですから今の段階はEUがそういった方針を決めたということではなく、そういうことも考えながら各国の情報を得ているということだと思います。そのため、日本やロシア、中国、イランへ行くということだと思います。
(質問)そうしますと、日本としては米国抜きでという道は当面は取らないということは、今度の会合でもおっしゃるんでしょうか。
(大臣)日本としましては米国の参加は温暖化に対応するために非常に大事であるということは、前々から述べている通りです。米国は今、京都議定書から離脱しているわけではないですし、国際的なプロセスから離脱しているわけではありません。国際的なプロセスを尊重して、温暖化にどのように対応できるかということを考えると言っています。そのようなことを言っているわけですから、米国が今後の進展にどういった貢献ができるかについて、待つ必要があるだろうということです。そして7月のボン会議までには相談していただけるというホイットマン長官の発言もあります。その間、米国に対しては、京都議定書は今まで他の国が努力を積み上げてきて、国際的に存在する唯一の枠組みであるということに関しまして、EUと連携して働きかけていきたいと考えています。
(質問)3月の末に米国が不支持の表明をして、しばらく時間がたって、その間いろいろやりとりがあり、EUのヴァルストロームさんは、少なくとも数年間は米国の姿勢は変わらないだろうと記者会見でおっしゃっている、この間のやりとりで米国が議定書を重視する姿勢かどうか、態度は堅いと見るか、やや柔軟になったと見るかその辺の感触はいかがですか。
(大臣)今、行っている代表団が帰ってきてから、そのあたりもよく聞いてみたいと思っています。私自身は直接には話していないので、できたら19日からニューヨークで一連の会合がありますから、国会の了解をいただけたら、そこに行って直接に話をしてみたいと思います。
(質問)直接にというのはホイットマンさんとですか。
(大臣)その時に、米国からどなたがいらっしゃるかまだ決まっていないんですね。非公式閣僚会合ですから、それなりの方がいらっしゃるのではないかと思っています。
(質問)今日中国と韓国の環境大臣と一緒に森総理の所に行かれますが、もちろん、アジアの環境問題で来られるんですが、その際、この温暖化の問題について何か、働きかけたり、総理も交えての意見交換をされるとか考えていらっしゃいますか。
(大臣)今日、総理の所に行く時に初めて3人でお会いすることになるわけで、むしろ、そういうお話は明日、明後日の会合で3国で話し合うということです。今日は、ご挨拶ということです。3国の協議でプロジェクトを動かそうとかさまざまな動きをしているわけですが、そういうことのご報告が中心になるのではないかと思います。
(質問)米国は中国、インドを名指しで参加するようにと言っていますが、土日の日中韓の環境大臣会合では、この温暖化についての意見を交わして、中国側にはなにか働きかけをされるお考えですか。
(大臣)一緒に問題の分析はしてみたいと思っています。韓国は、温暖化の国際交渉の場では、メキシコ、スイスと環境十全性グループを形成しており、環境の保全ということには非常に積極的な発言をしている国なので、その韓国も、中国も非常に重要な国ですから、それぞれ現在どういうことを考えていて今後の進展をどう考えるか、何ができるかということについての意見交換をしたいと思っています。ただ、中国は、温暖化の交渉をやっている部局と日中韓3ヶ国環境大臣会合に出てくる部局が若干違い、温暖化交渉の取りまとめ責任の官庁ではないということはあります。
(質問)日中間で、米国への働きかけの意思確認のようなものはあるのでしょうか。
(大臣)そういった形でお話ができたらいいと思っています。米国の対応は問題であろうということだと思います。中国が積極的に働きかけるということを言うかどうかということは分かりません。これは、お話をしてみてですね。
(質問)米国の対応が問題であろうというような文言がコミュニュケに盛り込まれる可能性はありますでしょうか。
(大臣)3大臣で話をした上での話だと思います。しかし、何らかの形で温暖化の問題には触れたいですし、触れるべきだと考えています。
(質問)ボンの会議前に米国が結論を出すというのは、ボン会議の直前ということでしょうか。
(大臣)米国へ行った方に聞いてみないと分かりませんが、アンブレラの国々に相談をすると言っているわけですから、今日相談して明日会議ということでは、相談したことにならないと思います。

(了)