記者会見大臣発言要旨 (平成13年3月27日)

 本日は、閣議の前に行政改革推進本部第1回会合が開かれ、3つの事柄が決定されました。1つは、いわゆるノーアクションレターといわれる法令適用事前確認手続きの導入が決定したこと。また1つは、総合規制改革会議の設置が決定したこと。最期の1つは、公務員制度改革についての大枠に基づく基本設計を、6月頃までにまとめることが決定されたこと。以上の3件が決定されました。

 閣議の案件は沢山ありまして、その中で環境省関連は2件ございました。1件は福島瑞穂議員提出の、高速横浜環状北線計画に関する質問に対する答弁書であり、もう1件はPRTR法の一部の施行期日を定める政令でございます。閣僚発言も多数ございましたので、主要な案件のみご紹介申し上げますが、市町村合併支援本部の設置に関する話や、個人情報の保護に関する法律の閣議決定に伴うコメント、芸予地震関連の話や、総理のイルクーツク訪問にかかる話、平成13年度予算成立にあたっての何人かの閣僚のコメントなどがございました。それから、緊急経済対策について、麻生大臣が4月上旬を目途に取りまとめるとのことで、総理のご指示がございました。

 引き続く閣僚懇談会で総理から、予算が成立したことに対し、委員会における各閣僚の尽力を労う言葉と、予算関連法案や経済活性化のための対策もあることから、これからも引き続きよろしくお願いしたい旨のご発言と、併せて、日ロ問題について、プーチン大統領も「放置できない問題である」という認識を持っておられると思うとのご発言がございました。以上が、本日の閣議及び閣僚懇談会の模様でございます。


(質 問)千葉県知事に当選された堂本暁子さんが、三番瀬計画については1度白紙撤回すると表明されていますが、それについて大臣はどのように受け止めていらっしゃいますか。
(大 臣)環境という意味で新知事は、今まで国政の場で活躍なさった方でいらっしゃいますので、環境の保全という点については色々とご関心をお持ちだと思っております。千葉県における三番瀬を巡る情勢というのは当面、既存の路線に従って進むものと思っています。つまり、委員会で方向を出すことになっておりますので、それに基づいて、千葉県がどのような対応をするかということであり、それについて環境省としても関心を持って見ていきたいと考えています。

(質 問)この件について、堂本知事と話し合いになる予定はございますか。
(大 臣)今のところございません。

(質 問)事業もそうですが、堂本知事は東京湾の環境保全についても一緒に言っておられます。そ ういうことで言えば、環境省はもう少し積極的に加わっていける余地があるのではないかと思うのですが。
(大 臣)堂本知事は、環境についての実績を非常に残しておられる方だと思っています。従来もそうして来ましたが、環境についてのご相談やご意見など、千葉県の方から環境省に頂くようなことがあれば積極的に対応して参りたいと思っています。

(質 問)有明海の関連で質問します。農林水産省の第3者委員会が、水門を開けての調査について今日にでも決定するのではないかと言われています。このような決定が出る見込みになったことについて、環境省としてはどのように受け止めますか。
(大 臣)本日委員会があるようですが、どのようになるかは、その結果を見てからだと思います。環境省としては、今まで緊急補足調査を行って来ましたが、その結果を本日の委員会に報告する予定です。その中味ですが、底生生物の生息が非常に少ないところが見られること、植物性プランクトンが非常に増えている事実があること、底質の泥の粒子が非常に細かいことが明らかになりました。このような結果を受けて本日の委員会で議論され、そして、その結果を受けて環境省として更にするべきことがあればやるのは勿論のこと、来年度からは、有明海海域の改善を狙った総合調査をすることになっていますから、それをきちんとやっていきたいと思っています。

(質 問)自民党や農林水産省の方で、環境保全のための立法措置を検討するべきとの声が上がっていますが、このことについて大臣はどのようなスタンスで臨まれるのでしょうか。
(大 臣)先ずは総合的に予断を持たないで原因を究明することが大事で、私は、先ずそれが成されることが大事だと思っています。有明海の海域の保全、或いは、改善して豊かな海にしていくことは大事なことです。それを環境省として何が出来、どうやっていくのか、または、何が必要で何が有効なのかをこれから考えていきたいと思います。その中で、制度化も視野の内のひとつに入っているということです。

(質 問)農林水産大臣は2年程度でやりたいと仰られているようですが。
(大 臣)それは直接には伺っていません。

(質 問)立法措置の検討はして行かれるのでしょうか。
(大 臣)勉強はしていきます。ただ、何が原因なのかが判らないと、その先に繋がっていきませんから、原因の究明無くして、始めに立法措置ありきでは全くないと思っています。

(質 問)植物性プランクトンが増えていることについて、諫早湾干拓工事に原因があるのではという話になっているのですか。
(大 臣)環境省の調査は、水質、底質の状況や底生生物の状況について把握するものです。原因が何なのかということは、委員会の場で総合的に検討していただく話だと思います。

(質 問)三番瀬の話に戻ります。先程は、見守っていきたいという仰られ方でしたが、気持ちとしてはいかがなのでしょうか。この1月に大臣が現地を視察された際、大臣は全面的な見直しが必要との発言をなさいましたし、今回、堂本知事も白紙撤回の趣旨を仰られています。例えば、スタンスを同じくしてきたように思われますか。
(大 臣)堂本知事は環境の保全にはずっと関心を持ち、また、ご造詣も深い方です。千葉県としては新知事の下、これから考えていかれると思いますので、それを見守っていきたいと思っています。ですので、その過程で意見を聞きたいですとか助言が欲しいということであれば、当然のことながらご協力申し上げたいと思います。

(質 問)同様なスタンスを持った堂本さんが当選したことについて、嬉しいですとか喜ばしいという個人的な思いではいかがでしょうか。
(大 臣)環境については、国際的な場においても大変なネットワークをお持ちになっていられる方であり、そのような方の下で千葉県政が進んでいくこととなります。確かに、県政の上ではいろいろな問題があると思いますが、環境の保全という面では期待申し上げています。
また、3人目の女性知事の誕生ですから、同じ女性として個人的に嬉しいと思っています。

(了)