大気環境・自動車対策

揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策検討会塗装小委員会(第4回)議事要旨

日時

平成17年1月18日(火)14:00~17:00

場所

経済産業省別館 944号会議室

議題

  1.  (1)塗装施設における揮発性有機化合物の排出抑制について
  2.  (2)その他

議事

  • 事務局より第2回揮発性有機化合物排出抑制専門委員会の審議結果について説明があった。
  • 事務局より塗装に係る規制対象施設案について説明があり、原案の一部を修正の上、了承された。主な意見は次の通り。
    • 塗装施設については吹付とそれ以外に分けることについては理解できるが、乾燥又は焼付施設についてはいったん表面についた塗膜を乾燥する点で同じにもかかわらず分類した理由が分からない。
    • 業界から提出して頂いたデータを整理すると乾燥施設については、吹付とそれ以外で異なる排出形態となっているため、分類している。
    • 稼働時間について補正していないため、業界からのアンケートをとりまとめたところであり、必ずしも排出量と排風量が比例関係になる訳ではない。
    • 業界ごとのデータとして見ないというこれまでの議論からすれば、吹付と吹付以外の乾燥施設については区分しなくてもいいのではないか。
    • 吹付以外の塗装施設では1施設当たりの排出量が50トンを超える施設が見出せないために除外しているのであれば、吹付塗装後の乾燥施設についても除外してもいいのではないか。
    • 吹付以外の塗装施設については、合計排出量が3400トンで全て対象外としているにも関わらず、吹付後の乾燥施設については合計排出量が3200トンなのに規制対象となるのは論理に統一性がないので除外すべき。
    • 稼働率と実測値から排出量を算出して範囲を決める方法はおかしいのではないか。
    • あくまで事業者から頂いたデータを第一に考えている。
    • 送風能力が毎時1万立米以上というのは相当程度大規模な施設であるので、光化学オキシダントを下げる観点からは規制対象とすべき。
    • 吹付塗装後の乾燥施設で50トンを超える12施設について、この12施設の合計排出量は吹付塗装後の乾燥施設全体の2-3割を占めるのであれば、切り捨てていい量ではない。
    • 排出抑制専門委員会で6小委員会の結論を踏まえて専門委員会の報告書について議論する際に、規制と自主的取組の関係についても再度議論してほしいという意見が出たことを専門委員会に報告する。
    • 50トン超えないが規制対象となる施設であることを考慮すれば、毎時20万立米程度とするべきではないか。
    • 逆に、50トンを超えるものの規制対象とならない施設も出てくるので総合的に判断すれば、毎時10万立米でいいのではないか。
    • 爆発防止の目的で燃焼ガスのパージが排出できるよう送風機が設置されているが、一時的、緊急的に動かすものについては考慮しないということで整理できないか。
    • 吹付塗装の乾燥又は焼付施設は削除することとする。
  • 事務局より塗装に係る規制対象施設の排出基準値案について説明があり、原案の一部を修正の上、了承された。主な意見は次の通り。
    • 自動車の新設の基準はトップランナーレベルの基準である。
    • 世界を代表する自動車業界には、VOCの排出抑制にも先頭にたって取り組んで頂きたい。
    • EUの排出濃度基準に比べると今回の基準は相当高くなっているのではないか。
    • 木材については、天然のテルペン類が含まれているため、基準値をその分だけ上乗せする必要があるかどうか。
    • 測定方法専門委員会でIPA等について濃度補正をすることになっているが補正をするのであれば、排出基準値もプラスしなければならないのではないか。
    • データが少ない中で10%値という統計処理を行う必要はないのではないか。実測データとして1200ppmC程度があったと聞いているが、そのデータを含めて検討して欲しい。
    • データがないなかで基準値を決めるのはいかがか。
    • 実測調査は業界から推薦いただけなかったり、推薦自体が遅れたため12月までに測定した結果で今回の資料を提出させて頂いている。
    • EUの塗料の製品規制でも400ppmCの達成は難しい。
    • EUの塗料の製品規制を、我が国が導入するべきかは別の問題である。EUでも施設について、今回の案よりも厳しい基準値が定められているところである。
    • 循環風量の取扱い等細かい話を議論する場を設定して欲しい。
    • 吹付塗装の乾燥又は焼付施設の基準値は必要なくなった。また、吹付塗装以外の乾燥又は焼付施設の400ppmCは、次回に再度検討する。
  • 事務局より経過措置等について説明があり、委員の間で討議が行われた。主な意見は次の通り。
    • 自動車については、厳しい基準値で議論が進んでいるので、古い施設については作り替えをしなくてはいけない場合も出てくるので、品質確保や稼働確保をしてから対応したいので、できるだけ長くして欲しい。モデルチェンジのタイミング(6年)にしていただければ理想。
    • 設備をかえたり、溶剤系から水溶系に転換する際に時間がかかることに留意すべき。
    • 排出基準値によって対応可能な技術が異なるため施設の導入能力、供給能力を検討した上で十分な時間を取るべき。
    • 塗料メーカーとしては、塗料種類の転換のためには少なくとも2-3年以上の準備期間が必要である。
    • 排ガス希釈については特段の対応は必要ない。
    • 測定頻度について、ダイオキシンの例もあるし、ベストミックスであるし、複数測定しなければならないことを考えれば、年1回でもいいのではないか。

本件に対する問い合わせ先

環境省環境管理局大気環境課 03-5521-8294

配付資料

資料1-1
揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策検討会塗装小委員会 委員名簿 [PDF 14KB]
資料1-2
揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策検討会塗装小委員会(第3回)議事要旨(案)(委員限り)
資料2
第2回揮発性有機化合物排出抑制専門委員会審議結果(横断的事項について) [PDF 22KB]
資料3-1
塗装に係る規制対象施設施設の裾切り指標及び数値(案) [PDF 34KB]
資料3-2
塗装に係る規制対象施設の施設の排出基準値(案) [PDF 26KB]
資料3-3
経過措置等について [PDF 9KB]

参考資料

参考資料1
裾切り数値の検討のための業界団体提出データ(総括資料) [PDF 23KB]
参考資料2
環境省VOC排出濃度実測調査結果 [PDF 24KB]
参考資料3
特定の活動及び設備における有機溶剤の使用によるVOC放出の抑制のための理事会指令(EU)における放出限界値(排出濃度基準) [PDF 13KB]
参考資料4
水素炎イオン化形VOC分析計(FID)の規格(案)(第3回揮発性有機化合物測定方法専門委員会配付資料) [PDF 20KB]
参考資料5
VOC触媒酸化―非分散形赤外線分析計(NDIR)の規格(案) (第3回揮発性有機化合物測定方法専門委員会配付資料) [PDF 16KB]