大気環境・自動車対策

平成12年度騒音規制法施行状況調査について

平成14年3月22日


 環境省は、全国の都道府県等の報告に基づき、平成12年度における騒音苦情の状況及び騒音規制法の施行状況を取りまとめた。その概要は次のとおりである。

(1)騒音苦情の状況
 騒音に係る苦情の件数は、平成12年度は14,066件(前年度12,452件)で、前年度に比べて1,614件、約13.0%増加した。  苦情の主な発生源別内訳を見ると、工場・事業場騒音が最も多く5,130件(全体の約36.5%)、次いで建設作業騒音が3,423件(約24.3%)、営業騒音が1,845件(約13.1%)であった。
(2)騒音規制法の施行状況
 騒音規制法に基づく規制地域を有する市区町村は、平成12年度末現在、全国の市区町村の約65.4%に当たる2,124市区町村(対前年度4町4村増加)であった。
 同法に基づき届出された規制対象の工場・事業場(特定工場等)の総数は、平成12年度末現在で、全国で207,748ヶ所(前年度比約0.89%増)となっている。この特定工場等に対して法に基づく立入検査が930件(前年度860件)、改善勧告が2件(前年度2件)行われた。この他、行政指導が1,032件(前年度935件)行われた。
 また、同法に基づき届出された建設作業(特定建設作業)の総数は60,999件(前年度比1.3%増)となっている。この特定建設作業に対して法に基づく立入検査が999件(前年度901件)行われたが、改善勧告及び改善命令は行われなかった(前年度改善勧告1件)。この他、行政指導が1,142件(前年度981件)行われた。

1.目的

 環境省では、騒音防止行政の一層の推進を図るため、毎年度、全国の都道府県、指定都市、中核市及び特例市を通じ、騒音に係る苦情の状況、騒音規制法に基づく各種措置の施行状況等について調査を行い、その結果を取りまとめている。

2.調査結果

(1)騒音苦情の状況

[1] 
 平成12年度に全国の地方公共団体が受けた騒音に係る苦情の件数は、14,066件であった。これは、平成11年度(12,452件)と比べると1,614件、約13.0%の増加となる。(図1参照)

図:図1 騒音苦情件数の推移

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図1 騒音苦情件数の推移

[2] 
 苦情件数を都道府県別に見ると、東京都の2,975件が最も多く、次いで大阪府1,594件、愛知県1,252件、神奈川県1,175件の順となっており、この4都府県で全国の騒音苦情件数の約49.7%を占めている。(表1参照)
 苦情件数の都道府県別の対前年度増減状況を見ると、減少件数の大きいのは、栃木県、青森県等である。増加件数が大きいのは、東京都であり、航空機騒音に係る苦情の増加が顕著である。(表2参照)
表1 都道府県別苦情件数(上位5都道府県)
表2 苦情件数の都道府県別対前年度増減状況
[3] 
 苦情件数を発生源別にみると、工場・事業場騒音が5,130件(36.5%)で最も多く、次いで建設作業騒音が3,423件(24.3%)、営業騒音が1,845件(13.1%)、家庭生活騒音が1,041件(7.4%)の順となっている。
 これを平成11年度と比較すると、苦情の総数の4割近くを占める工場・事業場騒音に係る苦情が597件、建設作業騒音に係る苦情が533件、飲食店、興行場、娯楽施設等の営業騒音に係る苦情が34件増加している。(図2参照)

図:図2 過去3カ年の苦情件数の発生源別内訳

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図2 過去3カ年の苦情件数の発生源別内訳

[4] 
 工場・事業場に対する苦情総数5,130件のうち、法の規制対象となる指定地域内の特定工場等に対するものは、約23%の1,174件であり、建設作業に対する苦情総数3,423件のうち、同指定地域内の特定建設作業に対する苦情は約35.3%の1,207件となっている。 (表3参照)
表3 規制対象・非対象別苦情件数

(2)地域指定の状況

 騒音規制法に基づき地域指定が行われている市区町村数は、平成12年度末現在2,124(平成11年度2,116)で、全国の市区町村数の約65.4%(同65.1%)に相当する。(表4参照)

 平成12年度中には新たに4町4村において規制地域が指定され、合計で8増となった。

(3)騒音に係る環境基準の類型当てはめ状況

 環境基本法に基づく環境基準の類型当てはめ地域を有する市区町村数は、平成12年度末現在1,771(平成11年度1,736)で、全国の市区町村数の約54.5%(同53.4%)に相当する。(表4参照)

表4 地域指定の状況(平成11年度末現在)

(4)工場・事業場に対する規制の状況

[1] 
 特定工場等総数及び特定施設の届出数
 騒音規制法に基づき届出された特定工場等の総数は、平成12年度末現在で207,748(平成11年度末現在205,915)となっている。
 また、特定施設の総数は1,489,107(同1,500,532)となっている。
 特定工場等の内訳を見ると、空気圧縮機等を設置しているものが約35.0%と最も多く、以下、金属加工機械を設置しているものが約21.9%、織機を設置しているものが約13.0%の順となっている。
  特定施設の内訳を見ると、空気圧縮機等が約37.7%と最も多く、以下、織機が約27.1%、金属加工機械が約18.4%の順となっている。(表5−1表5−2参照)
表5 法に基づく届出数(平成11年度末現在)
 特定工場等の総数及び特定建設作業の件数については、それぞれ平成11年度と比べ若干増加した。(表6参照)
表6 特定工場等・特定建設作業の最近の推移
[2] 
 法に基づく措置等の状況
 指定地域内の特定工場等に係る苦情1,174件(平成11年度1,069件)に対して、平成12年度に行われた騒音規制法に基づく措置の件数は、報告の徴収260件(同204件)、立入検査930件(同860件)、騒音の測定497件(同458件)であった。騒音測定の結果、規制基準を超えていたものは320件(同287件)であり、改善勧告は2件(同2件)行われ、改善命令は行われなかった(同0件)。また、これらの措置のほか、騒音防止に関する行政指導が1,032件(同935件)行われた。(表7参照)

 表7 指定地域内の特定工場等に係る措置等の状況

(5)特定建設作業に対する規制の状況

[1] 
特定建設作業の実施届出件数
 平成12年度中の特定建設作業実施届出件数は60,999件(平成11年度60,242件)であり、その内訳を見ると、削岩機を使用する作業が28,843件(同28,760件)と最も多く、次いでバックホウを使用する作業が15,926件(同14,766件)、くい打機等を使用する作業が5,481件(同5,718件)の順になっており、これらで全体の約82.3%を占めている。(表8参照)

 表8 特定建設作業実施届出件数
 
[2] 
法に基づく措置等の状況指定地域内の特定建設作業に対する苦情1,207件(平成10年度1,054件)に対し、平成12年度に行われた騒音規制法に基づく措置の件数は、報告の徴収210件(同224件)、立入検査999件(同901件)、騒音の測定338件(同288件)であった。騒音測定の結果、基準を超えていたものは77件(同65件)であった。改善勧告(同1件)、改善命令は行われていない(同0件)。

また、騒音防止に関する行政指導が1,142件(同981件)行われた。(表9参照)

表9 特定建設作業の騒音に係る指定地域内における法に基づく措置状況

 

(6)自動車騒音に対する措置等の状況

指定地域内の道路交通騒音の苦情325件(平成11年度330件)に対して、騒音の測定は185件(同176件)行われており、要請限度を超えていたものは22件(同45件)であった。また、道路管理者に対する道路の構造改善等の意見陳述が16件(同14件)行われた。都道府県公安委員会に対する交通規制等の要請は行われていない(同0件)。
  なお、これらの騒音規制法に基づく措置のほか、道路管理者に対する協力依頼等の措置が96件(同105件)、都道府県公安委員会に対する同様の措置が4件(同4件)行われた。(表10参照)

表10 自動車騒音に係る指定地域内における法に基づく措置等の状況
 

(7)低周波音に係る苦情の状況

 平成12年度に地方公共団体が受けた低周波音に係る苦情の件数は115件(平成11年度45件)であった。

 内訳を見ると、工場・事業場に係るものが61件(同21件)と最も多く約53.0%を占めている。(表11参照)

 また、苦情件数の年次推移を見ると、数年前から増加傾向にある。(表12参照)

 表11 低周波音に係る苦情の状況
 表12 低周波音に係る苦情件数の年次推移
 

(8)一般地域における環境基準の適合状況

 全国の一般地域(道路に面する地域以外の地域)における環境騒音の状況を把握するため、地方公共団体により測定された環境騒音の環境基準の適合状況について調査している。(表13参照)

表13 一般地域における環境基準の測定及び適合状況(道路に面する地域を除く)
  

[1] 
環境騒音の測定実施状況
 平成12年度に環境騒音の測定を実施した地方公共団体について、都道府県、指定都市及び中核市ごとに取りまとめ、全国集計を行ったところ、測定実施団体数は349(平成11年度410)で、環境基準の類型あてはめがなされている1,771市区町村数の約19.7%であった。
測定地点の総数は4,571地点(同4,752地点)であり、そのうち定点測定地点数(毎年度実施しているものとは限らない)は3,420地点(同2,896地点)で、全体の約74.8%となっている。
[2] 
環境基準の適合状況
 地域の騒音状況をマクロに把握するために必要な地点を選定している場合と、騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合とに分けて集計を行っている。
地域の騒音状況をマクロに把握するために必要な地点を選定している場合
 全測定地点3,829地点(同4,013地点)のうち約72.8%の地点で環境基準に適合(同66.0%)している。
 地域類型別にみた場合、A類型及びB類型地域(住居系地域)では2,893地点(同3,071地点)のうち約72.0%の地点で適合(同63.8%)しており、C類型地域(住居・商工業混在地域)では934地点(同937地点)のうち約75.3%の地点で適合(同73.2%)している。
騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合
 全測定地点742地点(同739地点)のうち、約67.3%の地点で適合している(同67.9%)。
 地域類型別にみると、A類型及びB類型地域では536地点(同523地点)のうち約62.1%の地点で適合(同63.9%)しており、C類型地域では206地点(同215地点)のうち80.6%の地点で適合(同77.7%)している。
(注)
この集計における環境基準の適合・不適合の判定については、原則として測定した全ての時間帯において環境基準を満たした場合を「適合」とした。
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