環境省大気環境・自動車対策自動車排出ガス等関係自動車排出ガス規制についてディーゼル車対策技術評価検討会とりまとめ

ディーゼル車対策技術評価検討会とりまとめ

2 大気汚染及び使用過程ディーゼル車の現状

(1)大気汚染の現状

[1]NO2の環境基準達成状況
 平成11年度の環境基準達成局の割合は、全国の一般環境大気測定局で98.9%、自動車排出ガス測定局で78.7%、大都市地域である自動車NOx法特定地域で95.0%、自動車排出ガス測定局で59.1%であり、平成10年度に比べ増加している。(図2-1参照)
[2]SPMの環境基準達成状況
 平成11年度の環境基準達成局の割合は、全国の一般環境大気測定局で90.1%、自動車排出ガス測定局で76.2%、大都市地域である自動車NOx法特定地域で74.9%、自動車排出ガス測定局で63.4%であり、平成10年度に比べ増加している。(図2-2参照)
[3]全国の測定局におけるNO2及びNO(一酸化窒素)濃度の年平均値の推移
 年平均値は、平成11年度においては平成10年度に比べ濃度が減少しているが、長期的にみるとほぼ横這いの傾向が続いている。平成11年度の減少は、一時的な要因によるところが大きいと思われる。(図2-3参照)
[4]全国の測定局におけるSPM濃度の年平均値の推移
 年平均値は、平成11年度は平成10年度に比べ減少しており、近年ほぼ横這いからゆるやかな減少傾向がみられる。平成11年度において例年以上に減少しているのは、一時的な要因によるところが大きいと思われる。(図2-4参照)
[5]大気汚染への自動車の寄与
 環境省調査によると平成6年度時点の沿道におけるSPMへのディーゼル車の寄与率(二次生成粒子を含む)は関東地域の平均で35%、関西地域の平均で41%であり、相当部分がディーゼル車に起因している。(図2-5参照)
環境省調査によると平成12年度時点の自動車NOx法特定地域におけるNOxへの自動車の寄与率は関東地域の平均で51.2%、関西地域の平均で52.6%であり、相当部分がディーゼル車に起因している。(図2-6参照)

(2)使用過程ディーゼル車の現状

[1]車種別・燃料別の自動車保有台数
 車種別の自動車保有台数は図2-7に示すとおりとなっている。また、燃料別の自動車保有台数の推移は図2-8に示すとおりであり、保有台数でみた場合、乗用車は平成8年まで、貨物車は平成9年まで一貫してディーゼル車の伸びがみられるが、それ以降やや減少している。
[2]車種別・燃料別排出割合
 環境省調査によると、平成6年度時点の車種別・燃料別のNOx及びPMの排出量は図2-9に示すとおりである。NOx排出量は、燃料別では、ディーゼル車が全体の4分の3を占め、車種別では、普通貨物車が5割近くを占めている。また、PMの排出量は、二次生成を考慮しないという前提のもとで、燃料別では、ディーゼル車が100%を占め、車種別では、普通貨物車が約6割、小型貨物車及び乗用車がそれぞれ1割を占めている。
[3]排出ガス規制年別保有台数割合
 排ガス規制についてはこれまで順次規制強化を行ってきたところであり、そのNOx及びPMの低減率は、例えば重量貨物車では図2-10のとおりである。
国土交通省調べによると排出ガス規制年別ディーゼル車の保有台数割合は図2-11に示すとおりである。平成10年度末時点において、ディーゼル乗用車については、PM規制が開始された短期規制(平成5、6年規制)以降の自動車は全体の約3割を、またディーゼルのバスについては短期規制以降のものは全体の約2割強、トラックについては約3割となっている。さらに、長期規制(平成9、10、11年規制)適合車は、乗用車、バス、トラック全ての車種で全体の1~2%である。一方、平成元年規制適合以前車については、乗用車では全体の約5割、バスは約8割、トラックでは7割となっている。
 このように、使用過程のディーゼル車については、最新規制より前の規制に適合した自動車の割合が多く、このような自動車に対する排出ガス低減対策は重要な課題となっている。

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